「お年玉をあげない」選択は、少数派ではない
マルアイが20代以上の男女2,405人を対象にした「2026年お年玉に関する実態調査」によると、来年のお正月に「お年玉をあげる予定」と答えた人は40.4%。約6割は、お年玉をあげない立場です。また、「今年の年末年始の動向調査」では、69.6%が「自宅でゆっくり過ごす」と回答。親族で集まる人は2割に満たず、年末年始の過ごし方は確実に多様化しています。
さらに、家族との距離感や人付き合いに関しての変化は、長期的な調査データからも裏付けられています。
花王が10年間にわたり実施してきた生活者調査(My Kaoくらしラボ)によると、
「家族のコミュニケーションは良好」と答えた人は約8割にのぼる一方で、「お互い干渉しない家族がいい」と考える人は、この10年で大きく増加しました。
特に女性では、「家族も大切だが、自分のことを優先したい」と考える割合が10年間で15%上昇。また、「人付き合いはわずらわしい」と感じる女性も増えており、無理をしない距離感を求める傾向が強まっています。
家族や人とのつながりは、「深さ」や「義務」よりも、お互いの心地よさを尊重する方向へシフトしているのです。
自分にとっての家族を大事にしたい
麻衣さんは言います。「姪や甥が嫌いなわけではありません。というか関心がない」
今年の年末年始、麻衣さん夫婦は猫たちと静かに過ごす予定です。
特別な予定はなく、家で映画を見たり、いつもより少し丁寧に食事を作ったりするつもりだといいます。
「猫と過ごす時間も、夫と過ごす時間も、私にとっては大切な“家族の時間”です。血縁でうっすらつながった家族よりも自分で選んだ家族を大事にしたいんです」
帰省しないことも、お年玉を渡さないことも、それは拒絶ではなく、自分たちの暮らしを守るための線引き。
家族のかたちは一つではありません。そう実感させる年末年始が、静かに増えているのかもしれません。
[参考資料]
マルアイ「2026年お年玉に関する実態調査」「今年の年末年始の動向調査」
花王「生活者の暮らしに関わる意識と行動調査」
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