ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)
データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)
富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
あなたが倒れたとき、誰が気づいてくれますか?
一人暮らしの人が部屋で倒れた……実際に起きた事件
2022年、京都で起きたことです。体調不良を感じた元大学教授が、自分で救急車を呼びました。救急隊が窓ガラスを割って入室し、病院に搬送したもののお亡くなりになってしまいました。
搬送時、身分を証するものもなく、京都市は戸籍を追ったものの親族を見つけられず、火葬し共同墓地に埋葬しました。それから3ヶ月経ち、最終的に弟さん夫婦の知るところとなりました。
さて、ここからが問題です。なぜ勝手に火葬されたのでしょうか、そして代々の墓もあるのに、どうして共同墓地に埋葬されたのでしょうか。ご遺族の思いは、分かります。でもこれが備えていない者の現実だと、皆さんに知っていただきたいのです。
人が倒れた時、問題になるのは次の2点です。
1. この人は誰か
2. この事実を誰に知らせたらいいのか(緊急連絡先等)
この2点を、分かるようにしておかない限り、このような問題は増える一方です。倒れた時、自分の口でこの2点を伝えられるとは限りません。誰かが、1と2の謎を解く作業をしなければなりません。
これは誰の仕事でしょうか? 救急隊も病院も行政も、どこもかしこも少子高齢化社会の煽りで人手不足です。その中で本来の仕事ではない、この謎解き作業をしていかねばならないのです。
この亡くなった方は、生涯独身でした。そのため戸籍は亡くなったご両親の戸籍に入ったままで、結婚した弟さんの情報は載っていませんでした。次々と戸籍を遡っていけば弟さんに辿り着けるでしょう。
しかしながら当然に、時間も取得費用もかかります。そして同時に、ご遺体はどんどん腐敗が進みます。ドライアイスでも、1日1万円前後かかります。民間の安置室なら、1日3万円ほどかかることもあります。それでも腐敗は、進んでいきます。この費用、誰が払うのでしょうか。私たちの税金ですか?
最終的にどこかで見切りをつけ、行政は仕方なく墓地埋葬法第9条により火葬します。骨壺は行政で保管するか、共同墓地に埋葬されます。この費用も、誰が払うのでしょうか……。誰かを、責められますか?
しかもこの一連の流れに関して、国は指針を出していません。各行政の判断に、委ねられているのです。本来の仕事に追われる中で、慣れない身元確認作業が加わります。どこかで打ち切って火葬することを、誰が責められるでしょうか。
ご遺体はどのように保管したとしても、腐敗は進み、費用がかかるだけでなく不衛生です。場所も必要です。責められますか?
今までの日本では、親族が対応していました。ところが少子高齢化に加わり、親族関係も急速に希薄になりました。これからこのような悲しいことが起こらないように、私たちが備えていきましょう。

