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自分が死んだ後の病院代や施設代の精算は、一体誰がするの?
自宅ではなく病院で亡くなる人が増えた理由
1950年代の日本では、8割の高齢者は自宅で亡くなっていました。ところが今は、同じ割合の方々が病院で亡くなっています。ぎりぎりまで住み慣れた自宅にいたい、そう思う人が多いのに……。これはいったいどうしたことでしょうか。
私の父方の祖母は、いまから50年ほど前に、自宅で亡くなりました。長い間、祖母の娘5人が代わる代わる交替で世話をしていました。もちろん息子の嫁も、同じように重要な役割を担います。
そもそも今は、それほど多くの子どもがいません。同時に共働きも増えました。長男の嫁が親の世話をするという認識は薄れ、専業主婦も減ったことから、病院で死を迎える高齢者が増えたのだと思います。
また自宅で亡くなった場合、医師の死亡診断書がなければ事件性があるのかどうか、警察が介入します。そのような煩わしさから逃れるために、病院の方が「安心」と思う人が増えたのかもしれません。あるいは亡くなる間際まで、ちゃんと治療をしてほしいと願っているのかもしれませんね。
「頼れる人」がいない場合、大変なことに……
では、一方の病院側はどうなのでしょうか。もしどこかで体調が悪くなって救急車で運ばれた時、受け入れ先の病院が懸念することはどういったことでしょう。いろいろあるでしょうが、まずはこの2点だと思います。
・入院になった時、誰が手続きやケアをしてくれるのか?
・入院にならなかった時、ひとりで帰宅できるか?
もちろん運ばれてきた方が大変な状態なら、病院側は「入院の手続き」云々で、受け入れを拒否することはしません。ただ身元不明の人が運ばれてきた場合、病院側にとって入院手続きをしてくれる人を探し、その人にコンタクトを取り、手続きをしてもらうということは、実は大変な作業なのです。
病院の事務局側は、身元不明の人が運ばれてくることに、いつも戦々恐々としていることでしょう。また入院せずにお帰りいただく際、おひとりでは難しいような場合には、病院も忙しい中、無下にすることもできず、福祉の方に連絡したりご家族を探したりと、大変な手間がかかります。その方の判断能力が落ちているなら、尚更です。ご本人から情報をいただけないのですから……。
特に高齢者を受け入れる際には、どこの病院も先の2点が懸念事項になると思います。さらには、お亡くなりになった後の精算。これを誰がしてくれるのかも、とても大きな問題です。
どんなに頑張っても、当人はもう亡くなっているので支払うことができません。基本は、配偶者や子どもたちご家族が支払うことになります。でも配偶者が認知症だったり、身動きが取れない状況であれば、支払うことができません。子どもたちがいない、もしくはいるけれど何年も会っていないような場合、周りの親族が支払うことになります。そして支払った親族は、戸籍等から子どもを探し当てて請求する、という流れになるのでしょう。
また精算だけではありません。病院は、長期にご遺体をそのまま預かることはしません。できれば速やかに自宅やセレモニーホールなどに移してほしいのです。親族が精算し、移動させてくれればいいのですが、それすら移動手段の手配が必要となります。だってタクシーに乗せて、連れて帰ることはできないのですから!
親族が見つからない場合は、葬儀社が持っているカプセルホテルのような冷暗所で、火葬までの間ウェイティングするのでしょう。結局病院だけでなく、これらの手配や費用すら、頼れる家族にお願いするしかないのです。

