万が一のときのために、誰もがしておくべきこと
1.自分は誰か、2. 誰に知らせればよいか、が明確に伝わるように備える
まずは1、2をどうするか、です。家の冷蔵庫に自分の名前、緊急連絡先と続柄を貼っておきましょう。頼れる親族がいなければ、地域包括支援センターのケアマネジャー等でも構いません。そして顔写真つきの身分証明書を持っている人は、それを数枚コピーし、普段自分が持ち歩くもの数箇所に入れておきましょう。
例えば財布やスマホケース、バッグ等に入れるのも良いでしょう。もし顔写真つきの身分証明書を持っていない場合には、直近の写真をプリントアウトし、その裏に必要なことを記載しておけば、代用することはできます。
このようにしておくことで、救急隊や病院は、目の前の喋れない患者が誰なのかということを把握することができますし、連絡してほしい先も把握できます。くれぐれも写真は、直近のものにしてくださいね。若い頃の写真だと、誰か分からないということにもなりかねません(笑)。自分だと気づいてもらうことが先決なので、写真は定期的に更新するのが良いですね。
それからスマートフォンでiPhoneを持っている方は、メディカルIDという機能があります。ぜひ利用してください。Android の方は、緊急時情報という同じような機能があります。分からなければ、ショップなどで教えてもらいましょう。
昨今、詐欺事件が横行しているので、知らない番号からの電話には出ない、警察と名乗る人が訪ねてきても簡単に鍵を開けないという慎重さは必要です。ところが緊急時には、これが逆効果となってしまいます。
田舎から出てきた若者が事故に遭い、親族を捜して連絡しても、電話に出ない、ドアを開けないということで連絡がつきませんでした。ようやくご両親に若者のことを伝えられたのは、3日後。若者は、すでに亡くなった後でした。こんな悲しいことはありません。
このメディカルIDや緊急時情報という機能は、スマホのロック解除をしなくても、電源を切ろうとすると画面に出てくるものです。誰でもタップができ、緊急連絡先を登録しておくことで、『あなたの』スマホから連絡先に電話をすることができます。
ぜひスマートフォンを持っている人全ての方々が、この情報を登録しておいてほしいと思います。たったこれだけで、救急隊も病院も行政も、そして何よりもあなたが救われるはずです。
また一人暮らしの場合、家の中で倒れることも想像してみましょう。仕事をしていれば「出勤してこない」ということで、確認に来てくれるかもしれません。もしそのような環境ではなければ、誰が気づいてくれるでしょうか。
先の京都の件は、救急搬送されてから親族に知れるまで3ヶ月以上かかっています。しかも亡くなった方の友人が懸命に捜してくれたからこそ分かったことで、もしこの友人の存在がなければもっと時間がかかったでしょう。
親族と、どれくらいのペースで連絡を取り合っていますか? それが気付いてもらえるタイミングです。見守り器具をつける、定期的にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等でスタンプを送る等、気づいてもらえる方法を探しましょう。
そして何よりも繫がってほしいのが、地域包括支援センターです。これは地域で生活する高齢者の、総合相談窓口です。たとえば介護認定を受ける、ということに「自分が年寄り」だと認めるみたいで抵抗感を抱く人は多いのですが、それは違います。地域包括支援センターは、一日でも長く自立した生活をするために相談やサポートをしてくれるところです。早くから、繫がることで自立期は延ばせるはずです。
要支援1は、椅子から立ち上がった際にふらつくことがある、です。今の私だって、ふらつくことはありますから、高齢になると皆が要支援1にはなると思います。そうなれば定期的にサービスを利用することで、誰かと顔を合わすことになります。これが見守りにもなるはずです。
倒れた時に1.自分は誰で、2.誰に連絡してほしいのか、これをしっかり自身で備えましょう。そして倒れたことにすぐ気が付いてもらえる方法も備えて、万が一の時には、綺麗な間に見つけてもらえるようにしておきましょう。
太田垣 章子
司法書士、賃貸不動産経営管理士、合同会社あなたの隣り代表社員
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