前回は、法定相続人の範囲とその順位について確認しました。今回は、被相続人に子どもいなかったときの相続の流れを見てみます。 ※本連載は、公認会計士・税理士の御旅屋尚文氏、司法書士の池田秀樹氏、特定社会保険労務士の柳勉氏の共著『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』(神宮館)の中から一部を抜粋し、家族が亡くなったときに発生するさまざまな手続きについて解説します。
子どもが先に亡くなっていれば、孫が代わりに相続
亡くなった方の相続人の基本は、配偶者と子どもです。相続分は配偶者が2分の1、子が2分の1で子が複数いる場合は、子の相続分を人数で等分します。このように相続の割合(法定相続分)は、法律で決められています。
配偶者は常に相続人となりますが、亡くなった方に子どもがいない、あるいはすでに亡くなっている場合はどうなるのでしょうか。法定相続人の子どもの相続順位は第一順位です。もしも子が亡くなっていたら孫が子の代わりに相続します。孫が相続することを、「代襲相続」といいます。孫が亡くなっていた場合には、ひ孫が相続します。これを再代襲相続といいます。
もともと子どもがいなければ、親や兄弟姉妹が相続
配偶者と直系尊属
子がいない場合には、直系尊属が相続人になります。直系尊属とは故人の父母のことで、父母がすでに亡くなっている場合には、祖父母などが相続人になります。相続分は配偶者が3分の2、直系尊属は3分の1となります。
配偶者と兄弟姉妹
子も直系尊属もいない場合には、故人の兄弟姉妹が相続人になります。相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹は4分の1となります。
父か母のどちらかしか血がつながっていない兄弟姉妹の相続分は、両親が同じ兄弟姉妹の2分の1になります。
ここがポイント
故人の子がすでに亡くなっている場合の相続は、配偶者と孫、ひ孫が相続します。故人と配偶者の間に子がいない場合には、直系尊属、兄弟姉妹の順です。法定相続分は法律で決められています。
公認会計士、税理士
昭和27年富山県生まれ。滋賀大学経済学部卒業。大学在学中に公認会計士2次試験合格。昭和53年より公認会計士事務所を開業。
現在、経営コンサルティング、税務、監査、各種セミナー講師、テレビ出演と幅広く活躍。
著書に『自分でできる確定申告のすべて』『図解決算書の読み方』『面白いほどよくわかる相続・贈与のしくみ』(以上、日本文芸社)など多数。
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連載葬儀・年金・相続…家族の死亡時に発生する「お金」の手続き
司法書士
東京司法書士会会員。昭和40年新潟県生まれ。平成8年司法書士試験合格、平成10年司法書士登録、平成16年簡裁訴訟代理等関係業務認定。東京都板橋区で池田司法書士事務所を開設。
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特定社会保険労務士
昭和30年山形県生まれ。東洋大学法学部法律学科卒業。昭和57年やなぎ社会保険労務士事務所を開設。労働・社会保険手続、給与計算受託、就業規則等諸規程整備の他、個別労働紛争における斡旋代理の受託。NPOヒューマンエクセル理事長。
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