(※写真はイメージです/PIXTA)

「富裕層」といえば、高級住宅街に住み、高級車を乗り回す姿をイメージする人が多いでしょう。しかし現実には、驚くほど質素な服を着て、周囲に決してお金持ちだと悟られないように暮らす資産家たちが一定数存在します。彼らはなぜ、巨額の富を持ちながら、あえて「ひっそりとした生活」を選ぶのでしょうか。FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が山本清一さん(仮名)の事例を通じて、お金と幸せの距離感について考えます。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

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謎のおじいさんの過去

実は、現在の清一さんの総資産は5億円を優に超えています。しかし、そのことを知る人は、近所には一人もいません。

 

清一さんの実家はもともと農家で、地元に広い田んぼや畑を所有していました。清一さんが30代のころ、国道建設に伴い、農地の大部分が買収されることになり、一家は莫大な買収金を手にしました。その後、父から遺産を相続した清一さんも、50歳ごろには一生困らない額の資産を持つに至りました。

 

ところが、この巨額の富こそが、清一さんが一生孤独でいることのきっかけとなってしまったのです。

 

金の匂いを嗅ぎつけた人々

「山本家に大金が入った」という噂はあっという間に広がり、その瞬間から周囲の態度はガラッと変わりました。

 

親戚からは「少しでいいから貸してほしい」と次々に頼みごとが舞い込み、何年も音信不通だった地元の銀行に勤務した同級生からは、突然電話がかかってくるように。なかには、「金があるんだろ? ちょっとくらいいいだろ」と露骨にいってくる人まで……。

 

最初は善意で数百万円を貸していましたが、貸した相手は連絡を絶ち、保証人になった別の友人は返済不能となり、清一さんが肩代わりする羽目に。

 

極めつけは、妻の豹変でした。父から遺産を受け取ったあと、生活費の管理を任せていた妻の金遣いが急に荒くなったのです。お金の使い方を注意するとケンカになり、身の丈に合わない支出を止めることができず、結果として離婚に至りました。

 

妻と暮らしていたマンションを手離し、誰も自分を知らない少し離れた集落の空き家を購入した清一さんは、人と深く関わることをやめてしまいました。表面上は明るく振る舞い、初対面の人とも気さくに話しますが、心の奥には誰も入れない壁をつくったのです。

 

清一さんにとって資産は、幸せの象徴ではなく、人間関係を壊し、自分を孤独へ追いやった元凶となってしまいました。金持ちと悟られぬよう派手な生活を避け、ムダを嫌い、毎日半額弁当を買い続ける――。それが、彼なりの処世術だったのです。

 

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