「老後は“暮らし”より“関係”が問われる」
地方での生活は、買い物の不便さや医療アクセスなど都市部とは異なる課題もあります。
また、老後に移住する場合は“どこに住むか”以上に、“誰とどう過ごすか”が問われることも。人間関係の希薄さは、孤立や精神的負担につながるリスクとして挙げられます。
「畑仕事は好き。でも、夫と“違う生活”を送っているようで寂しくなる時もあるんです」
そうつぶやく真由美さんの表情は、少しだけ曇っていました。
2年が経った今、真由美さんは週に数回、地元の直売所で販売員として働き、地域の人々とのつながりを広げています。直樹さんは家で読書やテレビを楽しみながら、月に一度は東京の友人と会うために上京するようになったそうです。
「完全に理想通りではないけど、お互いの“ちょうどいい距離感”がわかってきたのかも。土をいじっている時間は、今でも私にとって大事な時間です」
地方移住に「成功」や「失敗」の答えはありません。ただ、暮らしの中にある“すれ違い”や“迷い”とどう向き合うか――それもまた、人生の後半戦における大切なテーマの一つなのかもしれません。
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