(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢の親が認知症を発症し、施設入居や病院への長期入院などで実家を空けるケース。その際、子世代が直面するのが「実家の片付け」と「親の資産の行方」です。厚生労働省『認知症およびMCIの高齢者数と有病率の将来推計』によれば、65歳以上の高齢者のうち認知症の有病率は12.3%。今後ますます増加が見込まれる中、本人が管理していた通帳・現金・有価証券・保険証券などの“所在不明”問題が、家族間トラブルや相続の混乱を招いています。

「見つけてしまったら」どうすべき?――制度・法的処理の流れ

松村さんは、発見した現金・通帳・保険証券をすべて写真に撮り、実家の権利者である母の成年後見制度の申請を検討することにしました。

 

「母は今、自分でお金のことはまったくわかっていません。でも、明らかに“母のお金”なので、介護費用や施設費に充てたいと思いました」

 

◆ 成年後見制度とは:認知症などにより判断能力が不十分な人を保護・支援するため、家庭裁判所が選任した後見人が本人の財産管理を行う制度。

 

「母の介護費が毎月約20万円近くかかるので、この現金は本当に助かる部分もあります。ただ、姉妹間で“それをどう使うか”“遺産になるのか”といった話し合いも必要で…正直、揉め事の火種にもなりかねないと思いました」

 

松村さんは、発見後すぐに姉と連絡を取り、写真と発見状況を共有。司法書士に相談し、「母名義の資産」として後見人を通じて管理する方針に決めたといいます。

 

実家の片付けや相続において、「隠し場所から現金が出てきた」「親の保険証券が押し入れから出てきた」というケースは実際に多くあります。「出てきた現金を誰が持ち出したか」で兄弟間の関係が悪化したり、「使途不明金」として問題化したりする事例もあります。

 

「母がしっかりしていたうちに、もっと“お金の管理どうするの?”って話しておけばよかったと思います。本人が話せるうちじゃないと、こういう問題って本当にややこしいんです」

 

由紀さんは、ため息をつきながらそう話しました。実家に残された“知られざる資産”――それが「助け」になるのか、「火種」になるのかは、気づいたときの行動次第なのかもしれません。

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録