(※写真はイメージです/PIXTA)

金融庁はこのほど、海外で組成された暗号資産(仮想通貨)ETFを原資産とするデリバティブ商品の国内提供について「望ましくない」との見解を示した。「金融商品取引業等に関するQ&A」の改訂版に新たな設問(問6)を追加し、初めて明確な立場を示したといっていいだろう。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

暗号資産ETF連動CFDは「暗号資産デリバティブ」に該当との見解

改訂されたQ&Aでは、海外の暗号資産ETFの価格が実質的に現物暗号資産の価格に連動している点を踏まえ、これを原資産とするCFD(差金決済取引)は、金融商品取引法が定める「暗号資産又は金融指標に係るデリバティブ取引」に該当し得るとした。

 

そのうえで、日本では暗号資産ETFそのものの組成・販売が認められていない現状を指摘し、「投資者にとって十分に環境整備されていない中での商品提供となり、投資者保護上の懸念があるため望ましくない」と明確に述べている。

 

今回の見解の背景には、IG証券が9月30日から国内で提供を開始したCFD商品があるとみられる。同社はブラックロックが運用する「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」など、米国上場の現物型暗号資産ETFを原資産とするCFDを日本の個人投資家向けに提供していた。

 

金融庁の改訂を受け、IG証券は暗号資産ETFを原資産とするCFD取引の取扱いを終了すると発表している。

日本では暗号資産ETFが未認可、投資家保護を優先

暗号資産ETFは米国などで急速に存在感を高めているが、日本では制度上認められていない。金融庁は、情報開示や制度整備が不十分な段階で海外ETFを利用したデリバティブ商品が流通すれば、価格変動リスクの大きさなどから投資者保護が損なわれる可能性があると判断したとみられる。

投資家が直ちに確認すべきポイント

●ポジション保有者は終了スケジュールの確認を 

 

提供終了が発表されたCFDを保有している投資家は、

 

新規建て停止日

最終決済日(強制決済日)

 

を必ず確認したい。

 

終了前後はスプレッド拡大や流動性低下が起こりやすく、自身で早期に手仕舞いすることが有利なケースもある。

 

●税務上の扱いは専門家に相談を 

 

暗号資産関連の損益計算は複雑で、CFD特有の課税関係(損益計上時期、損益通算の可否など)については税理士等に相談することを推奨したい。

 

金融庁は国際的な動向を踏まえつつ、暗号資産関連商品の規制明確化を進める方針を維持している。今回のQ&A改訂から判断するかぎり、当面、日本市場で海外ETFを原資産とする暗号資産デリバティブ商品が広がる可能性は低いとみられる。
 

 

THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班

 

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