採用をやめるのではなく、“すり合わせ”を増やす
田口さんは、今回の件で学んだといいます。
「面接では“すごい経歴”しか見えていなかった。でも実は、どういう仕事観を持っているか、どういうチームで働きたいか、もっと深掘りするべきでした。シニアの方が悪いという話ではなくて、互いに“思い込み”があったんだと思います」
また、藤井さんも退職の際にこう語っていたといいます。
「ベンチャーで働くのが初めてで、自分のやり方が通用しないと感じました。でも、若い人たちの勢いを見て、やっぱりいいなと思いましたよ。もっと謙虚に、違う文化を受け入れられる自分でいたかったです」
高齢化が進むなかで、60代以降の就業人口は今後ますます増えていくと予測されています。総務省『労働力調査』によれば、2024年時点で65歳以上の就業者数は930万人。就業率は25.7%で、10年前と比較すると4.9ポイント上昇しています。
再就職市場における「シニア vs 企業」のミスマッチは、もはや特別な話ではありません。だからこそ、経歴だけでなく、働き方の価値観や期待をすり合わせること――。それが、これからの多様な働き方時代に求められる“共通語”なのかもしれません。
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