(※写真はイメージです/PIXTA)

内閣府の『高齢社会白書(令和7年版)』によると、65歳以上の世帯のうち63.7%が「単独世帯」または「夫婦のみの世帯」となっており、老老世帯の割合は年々増えています。そんな中、「たまに会う孫はうれしい」が「毎週来られるのは正直つらい」と感じる高齢者もいます。家族への感謝と負担のあいだで揺れる、ある女性の本音とは――。

家族との距離感に悩むシニア世代たち

律子さんのように、息子・娘世帯との「ちょうどいい距離感」に悩むシニア世代は少なくありません。とくに「毎週来訪」や「家事・育児サポートの依頼」が続くと、精神的な疲労だけでなく、金銭面での負担も蓄積されていきます。

 

「このままずっと“おもてなしの家”でいいのかな、とも思います。孫は本当に可愛いから、やっぱり来てくれたら嬉しくて…。でもね、たまには“何もしない週末”もほしい、そう思う自分が嫌になるんです」

 

今後については「少しずつ、来訪の頻度を変えていけたら」と、律子さんは静かに話します。

 

高齢者世帯の生活満足度を下げる要因は、必ずしもお金の問題だけではありません。家族との関係性や、適度な距離感のなさが、思いがけないストレス源になることもあるのです。

 

今後は、親世帯・子世帯双方が「無理のないかかわり方」や「支援と負担の線引き」について、早い段階で話し合いをすることが求められるかもしれません。

 

「孫に会うのは月1回くらいが理想かも」

 

そうつぶやいた律子さんの言葉には、“愛情”と“本音”が静かに同居していました。

 

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