(※写真はイメージです/PIXTA)

法務省によると、相続土地国庫帰属制度の2025年9月30日現在の申請件数は4,556件に達した。制度開始から約2年半が経過し、都市部・農村部を問わず、相続土地の管理が困難なケースで活用されている一方で、承認率は約47%にとどまっている。実態を見ていく。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

制度の狙いは「所有者不明土地」防止

相続土地国庫帰属制度は、相続した土地が管理されず放置されることで、将来「所有者不明土地」が増加することを防ぐために設けられた。土地を相続した相続人が一定の要件を満たせば、土地を国庫に帰属させることが可能となる制度である。

 

制度は2023年4月27日に開始され、放置された土地が災害や環境劣化、地域の景観や土地利用に影響を及ぼすことを防ぐとともに、国が土地の有効活用や適正管理を促すことを目的としている。

申請件数は4,556件、田畑が最多

2025年9月末時点の申請件数は4,556件。地目別では以下の通りである。

 

田・畑:1,755件

宅 地:1,588件

山 林:715件

その他…498件

 

申請の多くは、宅地や農地の管理が困難な高齢世帯や、地方で相続人が複数に分散している土地に集中している。

国庫帰属は2,145件、承認率は約47%

申請のうち、国庫への帰属が認められた件数は2,145件。種目別では宅地が最も多く784件、農用地697件、森林132件、その他532件だった。

 

申請件数に対する帰属件数の割合は約47%にとどまり、土地の状態や書類の不備、利活用の可能性などにより、すべての申請が認められるわけではない。

却下件数は74件、書類や境界の不備が主因

却下件数は74件。主な理由は以下の通り。

 

現に通路として使用されている土地:18件

境界が明らかでない土地:18件

添付書類の未提出:35件

 

申請段階で法律上の要件を満たしていないケースが多く、書類の不備や土地の法的状況が不明確であることが主な原因となっている。

取り下げ件数と背景

申請のうち801件は、申請者によって取り下げられた。理由の例は以下の通り。

 

・自治体や国の機関による土地の有効活用が決定

・隣接地所有者から土地の引き受け申し出

・農業委員会の調整により農地として活用される見込み

・審査途中で却下・不承認相当と判明

 

取り下げは、土地の有効活用が可能になった場合や申請内容に不備があった場合に生じ、相続人が柔軟に対応できる点が特徴である。

今後の見通し

申請件数の半数程度が国庫に帰属しており、土地の条件や活用状況によって結果が左右されることが読み取れる。法務省では今後も制度の運用状況を順次取りまとめる予定であり、都市部・農村部を問わず、所有者不明土地の発生防止や土地の有効活用の動向が注目される。

 

 

THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班

 

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