株式・投資信託と同様の「一律約20%」分離課税に改正か
現行の税制では、暗号資産の売買や交換による利益は原則として雑所得に分類され、給与所得などと合算する総合課税が適用される。そのため、所得に応じて最大で55%(所得税・住民税を合算した場合)の税率が課されることもある。
2026年度税制改正大綱では、株式や投資信託と同様に一律約20%での分離課税となり、税負担の軽減と投資環境の改善が期待される。損益通算や控除の扱いなど、細部の制度設計は現在調整中である。
金融庁、暗号資産を「金融商品」として位置づけ
金融庁は、2026年の通常国会に金融商品取引法の改正案を提出する方針を固めている。この改正案では、暗号資産を金融商品として位置づけ、国内の主要銘柄に情報開示義務を課すことを検討している。
また、未公開情報を利用したインサイダー取引の禁止や、暗号資産発行者に対する情報開示義務の強化も盛り込まれる予定である。これにより、株式市場と同様のルールで市場の透明性と健全性を確保することが狙いである。
主要銘柄として報道されている「105銘柄」はあくまで案の段階であり、最終的に確定していない。105銘柄に関しては、情報開示義務を交換業者に課す方向で検討されており、分離課税の対象も同銘柄に限定される見込みである。
ポートフォリオへの「長期投資としての組み込み」も加速か
暗号資産市場は、2017年の高騰と暴落を経て一時的に停滞したが、2020年以降は再び拡大している。主要銘柄の取引量増加や決済手段としての普及、機関投資家の参入が背景にある。さらに、2021年には米国でビットコイン先物ETFが承認され、市場の制度的位置づけも明確になった。
現行の総合課税では、高所得者の税負担が重く、リスク投資として不利な面が指摘されてきた。分離課税の導入により、暗号資産を長期投資としてポートフォリオに組み込む動きが加速すると見込まれる。
富裕層や起業家の資産戦略に影響
暗号資産が有価証券に近い扱いになることで、国外転出時課税(出国税)の対象になる可能性もある。そのため、富裕層や起業家は国際的な資産戦略を再設計する必要がある。暗号資産はかつての投機対象から、ポートフォリオの一角を担う「オルタナティブ投資」としての位置づけが意識されつつある。
国内の暗号資産交換業者の利用者数は増加傾向にあり、2023年度には500万人を超えた。若年層だけでなく、中高年層や法人投資家の利用も広がっている。
リスク分散・税制の最新情報を踏まえたうえで判断を
税制や制度が改善されても、暗号資産には価格変動リスクや取引所ハッキング、各国規制の不透明さなど、依然としてリスクが存在する。
資産運用に組み込む際には、リスク分散効果や既存金融資産との相関性、税制改正後のメリット・デメリットを踏まえた慎重な判断が求められる。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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