返済開始4年…「ちっとも幸せじゃない」現実
修平さんの勤務先は業績が悪化し、残業削減・賞与カットが続き 年収は520万円台まで減少。麻衣さんはフルタイム再就職を試みましたが、子どもや体調不良で休みが多く、結局 週数日のパート勤務・年収90万円に落ち着きました。
子どもの習い事や塾代が増え、家計は赤字に。貯金も購入時の半分以下に減少。口論も増え、小さな子どもたちが気を遣うほど、家の中には重い空気が漂います。
「賃貸になんて戻りたくない、ここにいたい。でも、このままでは家族がバラバラになってしまう」
一方、「父に合わせる顔がない、買ったからにはなんとか住み続けたい」と思っていた修平さんも、麻衣さんの涙を見て家を売却する覚悟を決めました。
幸い、購入時より不動産価格が上昇しており、売却後には若干のプラスに。買い替えも可能でしたが、夫婦で「身軽なほうがいい」と再び賃貸へ。
現在の住まいは家賃月11万円。身の丈に合った生活に戻り、夫婦は「安心して暮らせる幸せ」を実感しているといいます。
「急いで買わないと損」に潜む危険
マイホームは人生最大の買い物。しかし、「みんな買っているから」「今買わないと損」という理由だけで購入すると、後悔するリスクがあります。
人生は思ったように進むとは限らず、現実化していない収入増を全体にしたローン計画は危険。佐伯夫妻は購入時の価格上昇で売却できたことが幸運でしたが、もし価格が下落していたら、ローンと家賃の二重負担という最悪の事態になっていたかもしれません。
「これからもっと価格が上がってしまう」と、今まさに焦っているという人も、もう一度しっかりとシミュレーションをし直しましょう。マイホームは人生を豊かにしてくれますが、勢いや周囲の声ではなく、長期の生活設計を踏まえた判断が後悔しない唯一の方法です。
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