(※写真はイメージです/PIXTA)

「老後は楽しむもの」「お金は生きているうちに使ってこそ」と考える人は少なくありません。旅行や趣味に時間とお金をかけることが、“豊かなセカンドライフ”の象徴とされる場面も増えています。しかし一方で、物価上昇や医療費の負担増、子や孫への出費が重なることで、「老後資金に余裕があると思っていたのに、気づけば不安が…」という声も聞かれます。年金収入があっても、支出の見通しを誤れば、生活の見直しを迫られることもあるのです。

「老後資金、ゆっくり使えばよかった」

夫婦は旅行を3ヵ月に1回に減らし、外食やプレゼントの回数も抑えめに。節約を苦に感じることはないと言いますが、「もう少しバランスよく使えばよかった」と話します。

 

「“元気なうちに”と焦って使っていた部分があった。でも老後って、思っていたより長いんですよね」(明さん)

 

老後資金は“ためたら勝ち”ではなく、“どう使うか”が問われる時代になっています。老後の生活は平均で20〜30年に及ぶとされており、「自分たちのペースで、継続可能な楽しみ方」を見つけることが重要です。

 

「今は旅行の代わりに、近くの公園でピクニックしたり、孫と図書館に行ったり。お金をかけなくても心が豊かになる時間があることに、ようやく気づけた気がします」(玲子さん)

 

“理想の老後”を叶えたはずの夫婦が味わった静かな後悔は、多くの人にとって他人事ではありません。

 

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