短期間での相続発生のケース、「目的が明白」との指摘も
日本の相続税制度では、土地は路線価方式、建物は固定資産税評価額をもとに評価される。これらの評価方法は、市場の実勢価格より低く算定される傾向があり、高額不動産を相続する場合、実際の価値より低い税負担にとどまるケースが少なくなかった。
この仕組みは、とりわけ富裕層を中心に相続税の軽減手段として活用されてきた背景がある。相続を目前に控えた高齢者が都心部の高額不動産を購入し、短期間で相続が発生するケースについては、「節税目的が明白ではないか」との指摘が従前からあった。
与党税調の検討内容
与党税調は、こうした節税スキームを是正すべく、購入から5年以内に相続(または贈与)された投資用不動産を対象に、取得価額(購入時価格)で評価する案を中心に検討を進めているとされる。制度として明確に「購入直後の不動産については市場価格に近い水準で評価する」方針を位置付ける狙いがあるようだ。
国税当局はこれまでも、節税目的が疑われる案件には個別に鑑定評価を行うなどの対応をしていた。しかし、制度の抜本的な見直しにより一貫したルールとして適用されることを求めているようだ。
もっとも、正式な法改正案や施行時期は現時点では未確定であり、今後の党内議論および国会審議を経て具体化される見通しである。
富裕層への影響と市場への可能性
今回の見直しが実現すれば、相続直前の不動産購入を活用した節税は抑制される可能性がある。従来は賃貸用マンションを複数購入し、相続財産として評価額を圧縮することで税負担を軽減する手法が採られていたが、取得価額を基準とする評価に変更されれば、負担額が増えるケースが発生し得る。
また、不動産市場への影響も指摘される。相続目的の購入が減少すれば、特に都心部の投資用マンション市場において、一時的に需要が弱含む可能性がある。ただし、価格下落や流通量への影響は、法改正の内容や市場環境次第であり、現時点ではあくまで推測の域を出ない。
公平性確保が狙い
与党税調は、評価方法の見直しによって、市場価格と相続税評価額の乖離を縮小し、課税の公平性を高めることを狙っている。特定の層に偏った節税スキームを制度面で抑制し、より透明性の高い相続税制の在り方を模索しているといえる。
今後の議論の進展により、富裕層の相続対策にどのような影響が生じるか、不動産市場への波及も含めて注目が集まるところだ。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
\2月7日(土)-8日(日)限定配信/
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