将来への不安、そして今後の選択
「このままでは80代に入る前に、貯金が底をつく可能性がある」と感じた佐藤さんは、家計の棚卸しを始めました。
●妻との“使い道の話し合い”
●買い物履歴の見直し
●支出の記録アプリの導入
●医療保険やがん保険の見直し
「最初は揉めました。でも“将来、施設に入るお金が足りなくなったら困るでしょ”と真剣に話したことで、妻も“確かにそうね”と少しずつ理解してくれた。今は旅行も“2年に1回”、外商の登録も解除しました」
老後生活は、“時間があるぶん、支出も増えやすい”という側面があります。さらに、インフレや医療・介護費、税・社会保険料の増加も加わる中で、夫婦間で金銭感覚がずれていると、「将来の安心」は遠のいていきます。
佐藤さんはこう語ります。
「年収950万円だったのに、老後がこんなにギリギリになるとは思っていなかった。でも、一番の誤算は“夫婦でお金の話をしてこなかったこと”だった気がします」
金融庁の報告でも「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、それ以上に重要なのは、“お金の使い方の意思疎通”です。「年金だけでは不安」という時代だからこそ、「老後破産」を防ぐには、“足し算”ではなく“引き算”の視点も求められているのかもしれません。
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