幹部・経営層の採用面接では、現場採用とは違う視点で見られています。これまでの実績だけでなく、価値観や意思決定の軸、経営に向き合う姿勢が問われるからです。本記事では、エグゼクティブ転職の専門家・井上和幸氏が、転職活動において「これが答えられなければ“不採用”になり得る」という4つの重要質問を紹介するとともに、その意図を解説します。
質問その3:「あなたにとってマネジメント(幹部人材)、経営(経営人材)とは、どのようなものですか?」
直接こんな風に聞かれることは多くはないかもしれません。しかし、相手側の社長や経営陣は、幹部候補にはマネジメントについての考え方・価値観について、経営クラスであれば事業観、経営観について知りたいと考えます。そして、それが自社の価値観と合致しているか否かを確認します。
ここで重要なのは、「相手企業に合わせて迎合しない」ということです。面接時に応募先企業の企業理念やコンセプトなどを読み込み、それに合わせようとする人をよく見かけます。
もちろん自分の価値観と合致していれば、それを素直に伝えて欲しいのですが(それこそがよい転職先です)、面接対応で相手に合わせて「いいですね」などと言っても、本心で響いていなければ、底が浅く相手に伝わってしまうものです。それなりの社長であれば、「逆に〇〇さんとしてのこだわりとか、ないの?」と切り返されるでしょう。
こればかりは、付け焼き刃では通用しません。あなたがこれまで取り組んできたマネジメント・事業執行・経営の経験から具体的かつ体験的に培われた持論や一家言を、ぜひとも相手企業の社長などにぶつけてください。それこそが、相手側が採用候補者としてのあなたから、一番聞きたいことです。
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
1966年群馬県生まれ。1989年早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。人材開発部、広報室、学び事業部企画室・インターネット推進室を経て、2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より株式会社リクルート・エックス(2006年に社名変更、現・リクルートエグゼクティブエージェント)。エグゼクティブコンサルタント、事業企画室長を経て、マネージングディレクターに就任。
2010年2月に株式会社 経営者JPを設立(2010年4月創業)、代表取締役社長・CEOに就任。経営者の人材・組織戦略顧問を務める。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供している。人材コンサルタントとして「経営者力」「リーダーシップ力」「キャリア力」「転職力」を劇的に高める【成功方程式】の追究と伝道をライフワークとする。 実例・実践例から導き出された公式を、論理的に分かりやすく伝えながら、クライアントである企業・個人の個々の状況を的確に捉えた、スピーディなコンサルティング提供力に定評がある。自ら2万名超の経営者・経営幹部と対面してきた実績・実体験を持つ。
著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48』(共著、東洋経済新報社)、『あたりまえだけどなかなかできない 係長・主任のルール』(明日香出版社)、『プロフェッショナルリーダーの教科書』(共著、東洋経済新報社)、『人物鑑定法 あの人も、丸見えになる』(経済界)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。取材・コメント・出演実績として、「日本経済新聞」「朝日新聞」「読売新聞」「産経新聞」「日刊工業新聞」「週刊東洋経済」「日経ビジネス」「GQ JAPAN」「週刊現代」「プレジデント」「AERA」「月刊BOSS」「CIRCUS」「日経ビジネスオンライン」「ITmediaエグゼクティブ」「BOSS online」、フジテレビ「ホンマでっか?!TV」「キカナイトF」、その他業界誌等多数。
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