「自分の老後はどうするのか」問い直された娘の覚悟
「自分ももうすぐ60歳。これから教育費もかからないとはいえ、老後資金は思ったより貯まっていません。正直、5万円の仕送りを10年続けるだけでも600万円…簡単な話じゃなかったです」
松下さんはその日以降、仕送りを一旦ストップすることを決断。「困ったら言って」と伝えたものの、母から連絡が来ることはなく、以後は年に数回の帰省だけに留まっています。
高齢者の生活実態は、収入や支出のバランス、家計管理の価値観など、家庭によって大きく異なります。とくに年金生活に入った親と、働きながら支援する子ども世代では、「お金の使い方」への考え方にも大きな差が生じがちです。
仕送りをしたからといって、感謝されるとは限らない。ましてや、その支援が親の“贅沢資金”に化ける可能性もある――そうした現実を、松下さんは受け止めようとしています。
「見返りが欲しいわけじゃないんです。でも、ちゃんと“必要な支援”をしたいだけ。次はもっと、冷静に話し合わなきゃと思っています」
親の生活実態を把握し、必要な支援を見極める――それは、簡単ではないものの、子として“向き合うべき現実”かもしれません。
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