(※写真はイメージです/PIXTA)

子どもの教育にかかる費用は、多くの家庭で大きな負担となっています。とりわけ大学進学に際しては、学費に加えて生活費や仕送りなども含め、長期的な出費が避けられません。こうしたなか、教育への支出は「将来への投資」と捉えられることもありますが、実際には、その成果や回収の実感が得られるとも限らないものです。教育と進路のあり方をめぐって、親世代の価値観や葛藤が浮き彫りになる場面も少なくありません。

「この家を買ったときは、すべて順調に進むと思っていた」

東京都世田谷区の閑静な住宅街。築10年の3階建ての一戸建てに暮らす高山俊夫さん(仮名・58歳)は、都内の私立病院に勤務する医師です。妻とふたりの子ども(大学生・大学院生)とともに、10年以上前からこの地に暮らしてきました。

 

「長女は有名私大の文学部、長男は理系で大学院まで進学しました。2人とも、塾も予備校も私立の中高も全部出しましたよ。子どもの教育には、できる限りのことをしてきたつもりです」

 

30代後半から50代まで、子ども2人の教育費と住宅ローン返済を両立させるため、高山さんは当直や学会講師などの副収入も積極的にこなし、年間の世帯収入は約2,500万円に達していました。貯蓄も4,000万円以上あり、「老後も医師を続けながら、夫婦でゆっくり旅でも」と思っていたそうです。

 

ところが長女は大学卒業後に就職した広告代理店をわずか1年で退職。現在は無職のまま実家で暮らしています。長男は大学院で研究に励んでいるものの、修士卒後の進路が未定で、当面は「就職浪人」になる可能性もあるといいます。

 

「ふたりとも、今すぐ家を出る見通しは立っていません。生活費も交通費も、全部こちら持ちです。まさか60歳を目前にして、家族4人分の生活を支え続けることになるとは思いませんでした」

 

子どもにかけた教育費は2人で約6,000万円。高山さんは、「それでも、安定した職に就いて、自立してくれれば元は取れると思っていた」と語ります。

 

ところが現実は、2人ともまだ“親の扶養”のまま。特に長女は、体調の問題もあり、再就職は難航しているそうです。

 

「別にお金を返してほしいとか、そういうことを言いたいんじゃない。だけど…“教育って投資じゃなかったのか?”って、正直、最近思うようになってしまって」

 

そう語る高山さんの表情には、責めるような色はなく、ただ自分自身への問いかけのように聞こえました。

 

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