「見栄じゃなく、安心のために使ってほしかった」
「私は、旅行や外食をしたくないわけじゃない。でも、“安心して暮らす土台”ができてからの話だと思うんです」
恵子さんは、退職金の一部を「高齢期の医療・介護費のための貯蓄」や「将来の住み替え資金」に充てる話し合いを望んでいたといいます。
「けれど、夫は“そんなのはまだ先の話だ”って、何度も聞き流してきました」
結果として、ディナーの予約表は“信頼の破綻”を象徴する紙切れとなってしまいました。
高齢期を迎えた夫婦での“価値観の共有”や“ライフプランの可視化”は、今、かつて以上に重要になっています。制度や計画がいくら整っていても、「パートナーと話し合えていない」状態では、意味を持ちません。
「私は、老後に贅沢を求めているんじゃない。ただ、“2人でちゃんと考えた”という実感がほしかっただけです」
離婚届を提出するかどうか、恵子さんはまだ迷っているといいます。しかし何よりも伝えたかったのは、「夫婦として“向き合う姿勢”の欠如が、一番つらかった」ということでした。
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