再就職で見えた“本当の自由”
会社員といっても、高収入や肩書きは求めませんでした。「家から近い」「残業は基本なし」を条件に再出発。知人の紹介で、中小企業のサポート業務に就きました。
「以前は“働かない=自由”だと思っていましたが、 いまは“働けること”のほうがずっと尊いと感じます。人との関わり、時間のリズム、責任。どれも僕にとって必要なことだったんです」
いまだに別居状態にあるものの、妻も「娘には父親がいたほうがいい」という考えもあるようで、離婚はとどまっている状況。Aさんはもう一度家族で暮らす日を夢見て、今日も通勤しています。
「僕には自分を律する力がなかった。会社員という身分だったからこそ、社会的にまともな人間でいられた。それにようやく気づくことができました」
早期退職やFIREは「自由の象徴」として人気を集めています。しかし、“自由そのもの”には落とし穴があります。早期退職には、明確な目的だけでなく、意外かもしれませんが “自分を律する精神力” が欠かせません。
少しでも社会とつながり「少し働く」という形のほうが、心身のバランスを保ちやすい人も多いのです。Aさんは、まさしくその典型でした。彼の経験からも、早期退職には「お金だけでなく生活を整える力」が不可欠だと分かります。自由を選ぶにも、準備と自制心が必要なのです。
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