夢の早期退職で“自由”を手に入れた43歳会社員
「もう満員電車に揺られたくない」「仕事なんてしたくない」――そんな思いを抱いた経験がある人も多いでしょう。
Aさん(仮名・43歳)もその一人でした。都内の中小企業で管理職を務め、年収は1,000万円近く。妻と小学生の娘がいる、いわば順風満帆な会社員。ですが、Aさんは昔から「早く会社を辞めたい」という気持ちを抱え続けていました。
「もともと社会性があまりある方ではなくて。資産運用でお金を貯めて、できるだけ早く会社員人生を“上がり”にしたいと思っていました。幸運にも妻と巡り合い、子どもにも恵まれた。それでも、自由への渇望は消えませんでした」
新卒時から始めていた投資は、結婚後もお小遣いや相続資金を元手に継続。ついに資産は1億円に到達しました。
「これだけあれば、家族を養う責任も果たせる。そう思って、早期退職を具体的に考え始めました」
一方、妻は「社会と接していないと自分を保てない」と仕事の継続を希望。Aさんは「僕がメインで家のことをやるから、任せてよ」と、株の運用益で家計を支えつつ家族のために家事全般を担う “家庭を守る主夫”として、新たな生活を楽しむつもりでした。
そして、満を持して会社に辞表を提出。気持ちは晴れ晴れとしていました。しかし、当初こそ「休みの日にパパが家にいるのは助かる」と喜ばれていた評価は、徐々に変化していきました。
最後には、早期退職したことを後悔するまでになっていったのです。
