「“ありがとう”で終わる関係でいたかった」
加えて、子や孫への支援が長期化した場合、「家族リスク」も現実的な問題となります。とくに教育費支援は、「一度始めると途中でやめにくい」「感謝より“当然”と受け取られやすい」などの心理的・経済的な負担が大きく、想定以上に老後資金を圧迫する例も見られます。
佐伯さんはその後、支援を打ち切る決断をしました。
「本当は、“ありがとう”で終わる関係でいたかったです。でも、もう体力的にも気力的にも難しい。お金のことは早いうちに線引きをしておくべきでした」
現在は、ファイナンシャルプランナーの無料相談窓口で、今後の資金計画の見直しを進めているといいます。
家族だからこそ、断ることも必要に。老後資金は「自分の人生を生きる」ための大切な資産です。大切な人を支えたいという気持ちと、長く続く人生を守るための現実的な判断――その両立が求められています。
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