(※写真はイメージです/PIXTA)

総務省『家計調査(2024年)』によると、単身高齢者のうち無職世帯の1ヵ月の平均実収入はおよそ13万4,000円。そのうち公的年金等が占める割合は9割を超えています。年金収入のみでは生活費を賄いきれず、子どもからの仕送りや援助に頼る高齢者も少なくありません。一方で、親が“本当の生活状況”を語らないケースもあり、子どもが親の死後に意外な事実を知ることも……。今回は、母親に仕送りを続けていた50代女性が、母の死後に知った〈資産の真実〉を追います。

“思い込み”で支援が過剰になるケースも

「年金しかないから」「貯金がないから」と親が語る内容をそのまま鵜呑みにして、子どもが過剰に支援してしまうこともあります。実際、金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)』によると、70歳代の金融資産保有額の中央値は500万円。生活が厳しい世帯もある一方で、現金や不動産などを静かに保有しているケースも少なくありません。

 

「まさか母がそんな資産を持っていたなんて。でも、あの人らしいなとも思います。“娘には頼らない”っていう覚悟だったんでしょうね」

 

理恵さんはそう話します。

 

老後に必要なのは、資産だけではありません。親と子の間で“何をどこまで共有するか”、という認識のすり合わせも重要です。生前整理やエンディングノートの活用、公正証書遺言の作成など、備えを「見える形」にしておくことが、残された家族の安心にもつながります。

 

「押入れの中身を見て、“これが母の生き方だったんだな”って思いました。今はただ、ありがとうって伝えたいですね」

 

 “老後の備え”には、静かな覚悟と、言葉にしなかった想いが込められているのかもしれません。

 

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