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「9・30事件」をきっかけに対中関係悪化も、1990年に回復
一方、中国とは古来、交易を通じて深い関係にありました。西洋諸国が進出する前のインドネシアではさまざまな王国が栄枯盛衰を繰り返してきました。中国が15世紀に大航海時代を迎えインド洋に進出した際には、その指揮を委ねられた中国の鄭和がイスラム教徒だったこともあって、インドネシアの諸王国はインド洋と南シナ海を結ぶ中継貿易の拠点として繁栄しました。
西洋諸国が大航海時代を迎えると、オランダが1602年に東インド会社を設立、その後インドネシアは植民地化されていきました。周知のとおり日本軍に占領された時期もあります。
第二次世界大戦後、日本軍が撤退すると、スカルノらが独立を宣言しましたが、オランダはそれを認めず4年に及ぶ独立戦争となりました。
しかし、東西冷戦下でインドネシアの共産化を恐れた米国がオランダに圧力をかけたことから1949年に独立を果たしました。それから1年も経たない1950年4月13日、インドネシアは中国と国交を樹立しました。
ところが、1965年に9・30事件と呼ばれる、国軍と共産党の権力闘争が起き、両国の関係は悪化しました。中国は否定しているものの、中国共産党の関与が強く疑われているからです。そして1967年に外交関係を中断することとなりました。
その後、東西冷戦が終結に向かうと、1990年に両国は外交関係を回復しました。それ以降の外交は順調で、2005年には戦略的パートナーシップ、2013年には包括的戦略パートナーシップを確立しています。
ただし、南シナ海におけるフィリピンやベトナムとの対立を目の当たりにしてきただけに、中国の覇権主義に対する警戒が強いのも事実です。実際、南シナ海のナトゥナ諸島を巡る問題で両国はにらみ合いを続けています。インドネシアが設定している排他的経済水域(EEZ)と中国の「九段線」が一部重複しているからです。
