「孫に嫌われたくない」心と現実のはざまで
「お金のことで断ったら、嫌われるかもしれないって思ってしまうんですよね。息子にも迷惑をかけたくないし。だから、つい財布の紐が緩んでしまうんです」
しかし、幸子さんは最近「これではいけない」と少しずつ考えを変え始めています。
「“お金をかけること=愛情”じゃないって、自分にも言い聞かせています。おにぎりと公園で十分って言ってくれた日もあって、それが何より嬉しかったんです」
家計簿をつけ、医療費の控除や公共料金の割引制度などを見直すことで、わずかでも余裕を生み出せるよう努力しているといいます。
近年、物価高騰に加え、介護保険料や医療費負担の増加など、高齢者の生活を取り巻く経済状況は厳しさを増しています。住民税非課税世帯を対象に「高額療養費の自己負担上限額の軽減」や「介護保険の負担割合軽減」といった支援策もありますが、制度を知らずに本来の恩恵を受けていない高齢者も少なくありません。
また、子世代・孫世代の「無意識な金銭的プレッシャー」が、親世代の負担を増やしているケースも見受けられます。“おばあちゃん=お金持ち”という固定観念を見直し、「無理のない親孝行」「気持ちだけでも伝える関係性づくり」も、今後の社会に求められていくのかもしれません。
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