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黒字でも潰れる!? “みえない赤字”が会社を飲み込む瞬間
売上は右肩上がり。帳簿の上では順風満帆です。しかし、通帳の数字はなぜか減っていく――。これが、経営者が最も気づきにくい“みえない赤字”の始まりです。
ローン返済や固定資産税、光熱費、備品、そして新設備。固定費が積み重なり、オフィスの頭金によって手元の現金が枯渇。例年なら運転資金を借りられる時期に、銀行からは「自社ビル購入で借入枠が多いため、追加融資は難しい」と告げられます。
黒字だからこそ税金の支払いは待ってくれません。手元に現金がないのに、納税の期日だけは迫ってきます。まるで、どこかで蛇口が開きっぱなしになっているようです。
「まさか、儲かってるのに潰れそうになるなんて……」
利益は帳簿上の数字にすぎません。実際に会社を動かす「現金」の流れが止まった瞬間、どんな立派な自社ビルも、ただの重荷になるのです。
「社員のため」「安定のため」“善意”が会社を崩壊させるとき
経営者は皆、「社員を守りたい」「安定をつくりたい」と願っています。しかし、その“善意”が、いつのまにか判断を狂わせることがあります。
1.社員のために
頑張る姿をみていると、冷静な数字の判断が後回しになる。
2.所有していれば安心
ビルや車、設備を持つことで“安定している”と錯覚する。
3.節税になるなら得だろう
短期的な安心を選び、本質的な利益を見失う。
どれも間違いではありません。ですが、この3つが重なったとき、会社は“キャッシュを生まない体質”に変わっていくのです。佐久間社長は「俺が守りたかったのは“社員”じゃなく、“社員によくみられる自分”だったのかもしれない」と振り返ります。
「守る」から「動かす」へ…会社を再生させた逆転劇
資金繰りの限界がみえたとき、 佐久間社長が最初に選んだのは“撤退”ではなく“再生”でした。築浅で設備も整ったオフィスビル。市場価値は高かったものの、ローンの残債を引くと赤字。ですが、彼は「このビルにこだわっていたら、社員を守れない」と、迷わず自社ビルを売却し、オフィスを賃貸へ切り替えました。
それだけで、毎月の固定費が劇的に軽くなりました。浮いた資金を広告と採用に投じると、翌年の経常利益は1.3倍に。会社は、再び動き出したのです。
筆者が多くの経営者と向き合って感じるのは、「守る経営」ほど脆い構造はないということ。会社を強くみせようとするほど資産は動かなくなり、「社員のため」「安定のため」という善意が、いつのまにか会社の自由を奪っていきます。
不動産は、持つものではなく、使いこなすもの。経営者がみるべきは、資産の量ではなく、その“流れ”です。資産を動かすことは、リスクではありません。それは、会社に新しい選択肢を生み出す行為です。
最終的に会社を救うのは、仕組みでも資産でもありません。それを動かす意思と行動です。
「実行できる戦略こそが価値を持つ」
それは、どんな時代を生きる経営者にも共通する“答え”なのかもしれません。
萩原 峻大
東京財託グループ代表
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