介護が必要になった79歳父、近くに住む娘を頼ろうとしたが…
和田将司さん(仮名・79歳)は10年前に妻を亡くし、一人暮らしを続けてきました。3人の娘がいますが、それぞれ家庭を持って別で暮らしています。
そんな将司さん、年齢とともに体の不調を感じることが増えていました。家でつまづくことも多くなり、「年相応のことだけど、気をつけなければ」と思っていた矢先、お風呂で滑って左肩を骨折してしまいます。
当時、すでに車も手放していたため、一人でタクシーを呼び病院へ。入院とリハビリを経て自宅に戻りましたが、肩の痛みは続き、病院暮らしで体力も落ち、杖が必要な状態になってしまったのです。
「さすがに一人で生活するのは厳しいな……」
そう思った将司さんが頼ろうと思ったのが、三女の瞳さん(44歳)。長女と次女は他県在住でしたが、彼女は車で20分ほどの距離に住んでいたからです。
そして、将司さんは退院時に瞳さんに「しばらく介助を頼めるか? 1人じゃちょっと不安でな」と聞きました。優しい娘です。快く受けてくれると考えていました。ところが――。
「私はお父さんの介護はしないよ。頼むならお姉ちゃんたちに言って」
まさに唖然。将司さんの想像とは裏腹の冷たい答えでした。
「遠くに離れている長女、次女には頼めないだろう。お前には負担かもしれないが、これまで親として、お前を面倒見てきたじゃないか。それなのに……」
しかし、三女が断った理由は、将司さんが思いもしないことだったのです。
