(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高騰が家計を直撃するなか、食費の悩みは多くの家庭に共通しています。特に共働き世帯や子育て家庭では、外食やコンビニ利用が増えがちで、「月に10万円以上の食費がかかる」という声も珍しくありません。そんな中で注目されているのが、いわゆる“食い尽くし系”パートナーの存在です。配偶者が作り置きや子ども用のおやつなどを我慢せずすべて平らげてしまうことから、ストレスや家族間の対立を引き起こす要因にもなり得ます。

食をめぐるストレスが“価値観の境界線”になることも

こうした「食べ物をめぐる家庭内ストレス」は、実は法的な離婚原因にも発展し得ます。

 

日本の民法第770条では、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」が離婚の法定原因の一つにあたりますが、「生活費を入れない」「共働きにもかかわらず家計を圧迫するような浪費を繰り返す」といった場合、裁判での争点になるケースもあります。

 

“食い尽くし”が直接的な違法行為とは言えないものの、それが継続的に繰り返され、夫婦間の信頼関係を著しく損なう要因となると判断されれば、離婚理由と見なされることもあるのです。

 

現在、裕一さんは妻との別居状態が続いています。離婚届はまだ提出されていませんが、加奈さんは「しばらく時間がほしい」と告げています。

 

裕一さんは今、自炊を始め、娘のためにレシピ本を読みながら「一緒にお菓子を作れる日」を夢見ているといいます。

 

「妻と娘にとって、家が安心できる場所じゃなかったことが、いちばん悔しい。あのとき、『買い直してくるよ』って言えていたら、違っていたのかなって…」

 

静かにそうつぶやきました。

 

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