善意だと思うのに「なぜか恐ろしい」
A子さん宅のテーブルに並べられた私立小学校のパンフレットの数々。義母は笑顔でこう切り出しました。
「さぁ、そろそろ小学校受験を考えなきゃ」
お金のことは気にしないで、私が援助するから――。そう言うのです。
パンフレットに書かれた費用は高額です。実際、文部科学省の調査によれば、私立小学校に通うと、授業料や施設費、通学や教材、習い事まで含めれば年間150万円以上かかり、人気校なら200万円を超えることもめずらしくありません。
大学に入るまで公立に通っていたA子さんにとって、小学生で受験するなんてあまりに遠い世界でした。そして、費用的にも夫婦だけで用意できる金額ではありません。二人目を望むとさらに金銭的に厳しく、義母の援助がなければ叶えられない選択です。
お金は義母だけのものではないはずですが、義父はこうした場にやってくることはなく、存在感が薄い人。完全に義母が財布を握っていることが見て取れました。
一方、夫は「母さんは純粋に孫のためを思ってるだけだよ。お金だって出してくれるんだから、ありがたいだろ?」と同意の方向です。
夫のいうことは確かに正論です。義母は意地悪もしていない。むしろ「孫の未来のために」と、純粋に尽くしているようにも見えます。
ですが、A子さんはお金で縛られることで、子どもの将来が義母のコントロール下に置かれていく。そんな恐ろしさを感じたのだといいます。
子育ての方針を委ねる必要はない
義母の好意はありがたいものですし、教育に関しては「やらない後悔」より「やってよかった」と思える選択をしたい気持ちもわかります。けれど、援助を受けることで、子育ての方針まで委ねる必要はありません。
私立を選ぶにしても、公立を選ぶにしても、家計と価値観に合った形で、夫婦が主体となって決めていくことが大切です。
・まずは夫婦で「どんな子に育ってほしいか」を言語化する
・教育プランと、かかるお金、負担割合を具体的に試算する
・援助を受ける場合でも、子育てのハンドルは自分たちが握ると決めておく
・断る場合は感謝の気持ちを軸に伝える
お金は確かに力になりますが、親としての軸もまた、子どもにとって大事な支えです。
迷う時間そのものが、家族の方向性を作っていきます。焦らず、無理せず、夫婦で話し合いながら「わが家の答え」を決めていくとよいでしょう。
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