遺品の中に「現金」「手紙」があった場合の法的取り扱いは?
こうした「遺品に現金やメモが残されていた場合」、法的にはどう扱われるのでしょうか。
遺品の中に現金や手紙があった場合、それだけで法的に“遺言”として効力を持つわけではありません。法的に有効な遺言書とするには、たとえば自筆証書遺言であれば遺言者自身が全文・日付・氏名を自書し押印していることなどの要件が必要です。
一方で、被相続人の現金や通帳などは、遺言書の有無にかかわらず相続財産として扱われ、死亡時点の財産として相続手続・税務申告等の対応が求められます。
ただし、金額が少額・かつ「個人宛ての謝意のメモ」など実務上遺言書扱いされないケースも多く、実態として法的手続きが行われないこともあります。とはいえ、相続人全員での協議や専門家相談が推奨されるのも事実です。
残された“気持ち”は、何よりも重い
「2万円という金額じゃなくて、母がそれを“取っておいてくれたこと”、そして“言葉を残そうとしてくれたこと”が、私には何よりも大きかったです」
今でも手紙は自宅の引き出しに大切にしまってあると語る美沙さん。
「ちゃんと受け取ったよ、お母さん」
そう心の中で呟くたびに、やりとりできなかった“本音”が、少しずつ満たされていくのを感じているそうです。
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