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家族の行事にいちいちついてくる人物とは?
東京都在住の鈴木かさねさん(36歳・仮名)は、6歳の男の子と3歳の女の子を育てる2児の母。夫(38歳)と4人家族で暮らしています。
今年の秋、長女の七五三を迎えるにあたり、胸の奥に引っかかっている“ある問題”があります。
「義姉がまた、ついてくるんです」
去年、長男の七五三をお祝いした際も、義姉(40歳)が当然のように同行してきたといいます。
「お祝いの席って、普通は祖父母が中心じゃないですか。義実家からは3万円ほどお祝いをいただいてありがたかったのですが、義姉からは何もなし。それなのに食事会には当然の顔をして参加して、コース料理の肉を頬張ってワインまで飲んでいる姿を見た瞬間、正直イラッとしてしまいました」
食事会の費用は1人5,000円ほど。大人6人分で3万円をかさねさん夫婦が負担しました。
「別にお金を出してほしいわけじゃないんです。でも、気遣いもなく“呼ばれて当然”みたいな態度にモヤモヤしました。義姉は実家に同居してアルバイト生活なのであまりお金のことは言いたくないんですが……。子供が好きというわけでもなく、社交的でもない。なぜついてくるのか疑問だし、こちらとしても気を遣う存在なんです」
「義姉の着物、着せたら?」という義母の提案に絶句
今年、娘の七五三を控えるなか、義母から「義姉のときの着物があるから、それを着せたら?」と連絡がありました。
「“義姉のとき”って、40年前の話ですよ? 着物の保存状態もわからないし、センスも古いだろうし、娘に着せるなんて考えられません。『もうレンタルしているので』と、丁寧にお断りしましたが、また何か言われそうで憂うつです」
さらに気になるのは、今年も義姉が当然のように参加する雰囲気が漂っていること。
「夫に相談したら、“別にいいじゃん、家族なんだから”って軽く言われて……。いや、そういう問題じゃないんです。お祝いの場を台無しにされたくないし、物価も上がっているから、もう食事会はなしでいいですよね?」
七五三の食事会、3割の家庭が「高くなった」と実感
かさねさんのように、「お祝いの食事会をどうするか」で頭を悩ませる家庭は少なくありません。
オンライン見積もりサービス「ミツモア」を運営する株式会社ミツモアが実施した「七五三の費用に関する調査」では、直近1〜2年で「高くなったと感じた項目」の第1位が「お祝い食事代」(28.3%)という結果に。次いで「スタジオ・写真館の基本料金」(27.4%)が続きました。
約3割の親が食事代の値上がりを実感しており、外食インフレが家族の節目行事にまで影響を及ぼしている実態が明らかになっています。
「去年の七五三のときも、同じお店で同じような内容なのに、料理がひとり1,000円くらい高くなっていて驚きました。お祝いの場だから仕方ないと思っていたけど、今年はちょっと考えます」とかさねさん。
実際、帝国データバンクの調査によれば、2025年1〜4月だけで飲食料品の値上げは約6,000品目に達しており、前年より6割増のペース。七五三の食事代を「負担に感じる」と答えた親も68.9%にのぼっています。
「写真は出張カメラマンで」「食事は家族だけ」
七五三をめぐる費用高騰のなかで、節約しながらも思い出を残そうと工夫する家庭も増えています。
同調査によると、82.8%の親が「七五三の費用を抑えたい」と回答。その工夫として「写真館ではなく出張カメラマンを利用」「アルバムを自作」「自宅で着付け」といった声が寄せられました。
「うちはもう、外食じゃなくて家でやろうと思っています。義姉には“今年は撮影だけで食事会はしません”と伝えるつもりです。夫は渋い顔をするかもしれませんが、こちらにも限界があります」
かさねさんの言葉には、日々の節約や家庭内の調整に追われる母親のリアルな声がにじみます。
七五三は「誰のための行事」か
「七五三って、子どもの成長を祝う行事なのに、毎回義家族の顔色をうかがって疲れてしまう。娘の笑顔を一番に考えて、無理せず楽しめる形にしたいです」
義姉の存在に気を揉みつつも、かさねさんは自分なりの“家族のかたち”を模索しています。お祝いの形は家庭によってさまざま。必ずしも食事会や高額な写真撮影が必要とは限りません。
物価高や人間関係のストレスが重なる時代だからこそ、「どんな形がいちばん幸せか」を見つめ直すことが、子どもにとっても良い思い出につながるのかもしれません。
[参考資料]
株式会社ミツモア「七五三の費用意識調査2025年版」
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