リテラシーの高い担当者の見分け方
リテラシーの高い担当者は聞き上手なだけでなく“聞き出し上手”でもあります。本当に“人が好きな人”は相手に興味を持ち、その人のことをもっと知ろうとします。相手が施主でもそれは同じです。何げない雑談のなかからでも、優秀な担当者は施主の情報を拾い上げる能力にたけています。
例えば、ちゃんと話した記憶がないのに、担当者が家族構成を知っていた、子どもの習い事を知っていた、子育ての悩みを知っていた、嫌なことがあるとウィンドウショッピングで気分転換を図っているのを知っていた等々です。たわいもない話は会話の端々に出るものですが、優秀な担当者ほどそういった話を聞き流したりせず、顧客情報としてストックしていきます。
すると、子どもの学習塾や習い事でお金がかかるとこぼした施主には、月々の支払いが少なくて済むエリアや住宅ローンを提案してくれることもあります。買い物が好きな施主にはショッピングモールや量販店に近い土地を見つけだしてくれるし、運転免許がないという施主には交通アクセスが良く、通勤通学に困らない土地を探してくれるかもしれません。
こういったことはマニュアルに沿ったヒアリングや不動産サイトの物件検索には載っていません。担当者が優秀であるからこそ提案してもらえる「隠れた優良物件」です。施主ですら気づかなかった希望条件を掘り起こしてくれるような担当者に出会えたら、希望どおりの家づくりの実現が、より現実味を帯びてきます。
決まった商品説明をするだけの営業が通じる時代ではないので、むしろセールストークを丸暗記しているだけの担当者とはこうしたコミュニケーションを取ることはできません。意思の疎通を図るのは難しいですが、信頼を築くうえでは欠かせないものです。阿吽の呼吸とまではいかなくても、施主の要望をしっかり汲み取れる担当者であってほしいと思います。
施主の気持ちを慮ることのできない担当者は、最初からこの業界に向いていなかったのかもしれません。何を言っても生返事しかしなかったり、曖昧な返事でごまかそうとしたりする担当者なら早々に見切りをつけてもいいと思います。人生でいちばん大きな買い物をするなら、リテラシーの高い担当者と建てたいものです。
