阪神 vs. ソフトバンクは吉兆か…「日本シリーズ人気度」と「景気」の意外な関係性
2025年のセ・リーグ優勝チームは阪神でした。一方、パ・リーグはソフトバンクが優勝しました。両チームがクライマックスシリーズを勝ちあがり、阪神対ソフトバンクが10月25日からの日本シリーズで対戦することに。人気ランキング第2位同士の対戦なのでランキングの合計は4です。
その年シーズン前に調査される、読売新聞のスポーツに関する世論調査の日本シリーズ対戦チームの人気ランキング合計と、日本シリーズ期間中の景気局面とのあいだに不思議な関係があります。
1986年から2024年のデータでランキング合計が2~5の人気球団が絡んだ組み合わせは21回。そのうち、景気拡張局面18回、後退局面3回で、景気拡張局面になる確率は85.7%と高い数字です。それに対し、ランキング合計が7~8の組み合わせは9回。そのうち、景気拡張局面4回、後退局面5回、景気拡張局面になる確率は44.4%です。
なお、拡張局面4回はすべて下剋上による日本シリーズ進出の年にあたります。日本人の判官びいきの影響でにわかファンが増えるのかもしれません。ランキング合計が6の組み合わせは7回。そのうち、景気拡張局面4回、後退局面3回で、景気拡張局面になる確率は57.1%と、景気拡張局面になる確率は2~5と7~8のちょうどあいだになっています。
日本シリーズの対戦カードからみると日本シリーズの期間中の景気は、景気拡張局面である可能性が大きいと思われます。
※2005年と2010年のロッテの下剋上日本一の年は拡張局面
※2017年DaNAはセ・リーグ初、3位からの日本シリーズ出場
※2004年西武、2007年中日と下刻上日本一の年も拡張局面
●2018年-19年ソフトバンクはパ・リーグ2位から日本S出場
*2021年は初のセパとも2年連続最下位からの優勝、日本S出場。
*2022年は2021年と同じカードに。
※2024年はDgNAが3位からの日本シリーズ優勝
阪神優勝年のGDP・日銀短観は平均超え
阪神のリーグ優勝年は、実質GDP成長率が高めになるようです。1985年以降2024年までの40年間における実質GDP成長率の暦年成長率の単純平均は+1.43%でした。阪神が優勝した1985年、2003年、2005年、2023年の暦年・実質成長率の4回の平均は+2.43%で40年間の平均を1.0ポイント上回っています。
1973年以降2024年までの52年間での日銀短観・大企業・全産業12月調査の業況判断DIの前年差変化幅の平均は0.0ポイントです。人気球団の巨人の優勝年では改善・悪化がおおむね半々ですが、前年差変化幅の平均は+5.5ポイントの改善。人気2位の阪神の優勝年では改善が3回・悪化が1回で、前年差変化幅の平均は+3.3ポイントと改善です。残る4球団(ヤクルト・広島・中日・DeNA)の優勝年では、改善が12回・悪化が15回で平均は▲4.7ポイントの悪化になります。
なお、2025年9月調査で日銀短観・大企業・全産業・業況判断DIは+24で前年を+1ポイント上回っています。
(注)96年までは11月調査
※〇改善回数、△横這い回数、●悪化回数
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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