大谷選手、MVPトロフィーに歴史的活躍支えた仲間へ「粋な計らい」
ドジャースは、大谷翔平選手の投打にわたる活躍でナ・リーグ優勝決定シリーズの第4戦に勝利。対戦相手のブルワーズを4連勝とスイープで下し、2年連続のワールドシリーズに進出し、ア・リーグ覇者のブルージェイズと10月24日(日本時間25日)から世界一をかけて戦うことになりました。
ナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で、大谷選手は投げては7回途中無失点10三振、打っては先頭打者弾を含む3本塁打と、歴史に残る投打にわたる活躍でドジャースの勝利に貢献。ナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPに輝きました。
大谷選手は受け取ったナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPトロフィーに粋な言葉を被せ、チームの成果であると強調していることを、ロバーツ監督が記者会見で称えました。受賞から3日後、展示されたトロフィーには「MOST VALUABLE PLAYER」の文字が刻印されている部分に、「TEAM EFFORT」の文字が入ったプレートが被せられました。
ロバーツ監督は、「ショウヘイは第4戦で素晴らしい試合をしたけど、第1~3戦ではスネル、ヤマモト、エドマン、そしてテオスカーも活躍したので誰がチームのMVPに選ばれてもおかしくなかった。だから、彼がそのことを認識して、このトロフィーにしたことは、ショウヘイが素晴らしいチームメートだということを示していると思う」と大谷の振る舞いを称えています。2年連続の世界一へ向け、チームの結束が高まる出来事といえるでしょう。
常勝軍団「ドジャース」 vs. 32年ぶり進出「ブルージェイズ」
1903年のワールドシリーズ開始以来、ドジャースは2025年で23回目の進出(リーグ優勝は26回目。1890年、1899年、1900年にも優勝)になります。ワールドチャンピオンになったのは8回です。ドジャースは1988年に6回目のワールドチャンピオンになってから2017年まで29年ワールドシリーズから遠ざかりました。
2017年はダルビッシュ有投手と前田健太投手がドジャースに在籍、2018年は前田投手が在籍し、両年ともワールドシリーズに進出しましたが、いずれも敗退しています。コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年、32年ぶり7回目のワールドチャンピオンに。2024年にはヤンキースに勝利し8回目のワールドチャンピオンになりました。移籍1年目だった大谷翔平選手が悲願の世界一に輝ったのです。
一方、ア・リーグを制したブルージェイズは本拠地で行われたア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦で、7回にジョージ・スプリンガー外野手の劇的な3ランで逆転。4-3で初優勝を目指したマリナーズに勝利しました。対戦成績を4勝3敗として1993年以来32年ぶり3度目のリーグ優勝を飾りました。
ブルージェイズは1977年にカナダのチームとして誕生。1985年に初の地区優勝を果たしました。1992年・1993年と2年連続ワールドチャンピオンになっています。今季は前年の最下位から10年ぶりの地区優勝を飾り、2020年代に入り6年間で4度目のポストシーズン進出。3度目のリーグ優勝となりました。
リーグ優勝年は経済も好調?ドジャース・ブルージェイズ、優勝年のGDP成長率は平均超え
メジャーリーグは20世紀初期から長いあいだ16球団でした。エクスパンションによって1961年にエンゼルス、レンジャーズの2球団が、1962年のアストロズ、メッツの2球団が創設され1962年には20球団に。現在の30球団になったのは1998年です。
1961年以降のメジャーリーグの、アメリカンリーグとナショナルリーグのそれぞれの優勝チームごとに、実質GDP成長率の平均を計算しました。1961年から2024年までの64年間(ストライキで中止の1994年を含む)の実質GDP成長率・平均は+3.03%です。ブルージェイズはリーグ優勝回数2回で実質GDP成長率・平均は+3.15%です。ドジャースはリーグ優勝回数12回で実質GDP成長率・平均は+3.33%です。どちらも64年間の平均を上回り、特にドジャースは0.3ポイント高いという結果になっています。
(注)経済成長率・計・平均の63回には94年(ストライキで中止)を含む。
*1961年~2024年の期間ヤンキースは7回ワールドシリーズ制覇。平均成長率+371%。
*1961年~2024年の期間ドジャースは6回ワールドシリーズ制覇。平均成長率+3.03%。
※2024年、アリーグ優勝はヤンキース。ナリーグはドジャース。ワールドチャンビオンはドジャース。
※2025年、アリーグ優勝はブルージェイズ。ナリーグ優勝はドジャース。
NY連銀GDP推計値が示す、米国経済の底堅さ…ドジャース躍進が、7~9月期の高めの経済成長率をもたらしたか
米国の実質GDP を事前に判断するときに役に立つ地区連銀のデータがあります。そのひとつは、アトランタ連銀が算出・公表しているGDPナウです。これは、米国の実質GDP成長率のリアルタイムの推定値といえるものです。GDP成長率を計算する時点までの公表された関連の経済データを反映して推定値が算出され、データ発表日に合わせて公表されています。
類似データとしてNY連銀が毎週金曜日に公開している推計値とNY連銀スタッフ・ナウキャストもあります。10月18日現在、これから公表される25年7~9月期の実質GDPアトランタ連銀の推計値は+3.9%、NY連銀の推計値が+2.34%、平均は+3.12%台の前期比年率になります。野球シーズンの4~6月期は+3.8%なので、7~9月期が予測値平均通りなら、2四半期連続+3%台成長です。NY連銀の推計値では、10~12月期の推計値が+2.25%となっています。GDPでみるかぎり、米国経済は底堅さが感じられます。
25年の米国実質GDPの前期比年率は1~3月期が▲0.6%と低い伸び率で、25年の実質GDPの伸び率の鈍化要因になりました。しかし、4~6月期になると+3.8%としっかりした伸び率に。7~9月期をアトランタ連銀とNY連銀の推計値の平均、10~12月期をNY連銀の推計値の前期比年率で延長すると、25年の米国実質GDPは前年比+2.1%です。
25年10月調査ESPフォーキャスト調査では、25年米国実質GDPの前年比平均見通しは+1.76%と低い数字ですが、9月調査の+1.67%から伸び率が高まっています。野球シーズンの25年4~6月期、7~9月期が高めの伸び率になりそうなことは、ワールドシリーズに進出するのが、ドジャースというリーグ優勝した年の成長率・平均が高いチームであることと整合的だと思われます。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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