「この家から出たくない」の真意
「もう、この家から出たくないの」——。
由紀子さんのこの言葉には、単なる満足感や移住の成功だけではなく、「この家こそが、夫婦ふたりで最後に選んだ“終の棲家”である」という強い覚悟がにじんでいました。手間のかかる古民家での暮らしも、自然に囲まれた日々も、すべてが“ふたりの選択”として受け入れられているのだと感じられます。
しかし、その暮らしの“裏側”にある現実を、近くに住むわけでもない家族が、どこまで本当の意味で理解できているのか。それは、また別の問題です。
「理想の老後」は人それぞれ。けれど、体力や判断力が少しずつ衰える“高齢期”だからこそ、住まいの選択や生活スタイルの転換には、リスクや負担もつきまといます。本人の想いと周囲の理解、その両方が噛み合ってこそ、本当に安心できる「終の住処」になるのかもしれません。
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