(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍以降、リモートワークの普及や生活費の見直しなどを背景に、「地方移住」への関心が高まりました。特に定年退職後の夫婦にとって、都会よりも家賃や物価が安く、自然に囲まれた暮らしは魅力的に映るようです。しかし、実際に移住を果たしたあと、「想定外」の課題に直面するケースも少なくありません。

「ようやく、夫婦ふたりの静かな暮らしを」

「こっちは空気が違うの。朝、鳥の声で目が覚めるのよ」

 

そう嬉しそうに語るのは、70歳の由紀子さん(仮名)です。

 

都内で40年以上暮らしてきた彼女と夫の達也さん(同・72歳)は、2人とも会社員として定年まで働き、貯金と退職金で老後の備えをしてきました。夫婦の年金は合わせて月18万円。退職金は1,500万円。持ち家はなく、都内の賃貸マンションに住み続けてきましたが、賃料や物価の高さに不安を感じ、以前から「もっと静かで、ゆったり暮らせる場所に引っ越したい」と話していたといいます。

 

そんな折、知人から「格安で空き家が買える町がある」と聞き、夫婦は思い切って長野県の山あいの村へ移住。古民家バンクで購入した築60年の木造一軒家は、土地込みでわずか180万円でした。

 

移住から半年後、東京に住む一人娘の奈緒さん(43歳)が両親を訪ねてきました。

 

「最寄りの駅からバスは1日3本。タクシーも呼べなくて、徒歩30分かけて山道を歩いたんです。やっと家に着いたと思ったら…」

 

そこには、雑草が生い茂る庭と、雨漏りで黒ずんだ屋根。中に入ると、石油ストーブの匂いと、どこか湿気を含んだ空気が漂っていました。

 

「キッチンの水道は1本だけで、お風呂は薪。夜は街灯もないから真っ暗で…“こんな場所で高齢の2人が暮らしている”という事実に、正直、ショックを受けました」

 

しかし、由紀子さんは笑ってこう答えたといいます。

 

「都会の便利さには戻れないわよ。夜は星が降ってくるみたいだし、誰にも邪魔されずに、静かに本が読めるの」

 

奈緒さんはその“満ち足りた表情”に、うまく言葉を返せなかったといいます。

 

このように、「古民家移住」は理想的に語られることが多いものの、住環境の整備や高齢者にとっての“安全性”という観点では、さまざまなリスクを孕んでいます。

 

買い物や通院など、移動手段に不便を感じている高齢者は多く、生活インフラの維持や見守り支援に課題を抱える地域も多くあります。

 

特に、今回のように築年数の古い空き家は、改修費用が想定以上にかかるケースも。住宅扶助や介護保険の住宅改修制度などを活用する選択肢もありますが、利用には要件があるため、事前の確認が重要です。

 

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