「たまごが高すぎて…」呟いた47歳運転手の本音
「いつから“たまご”が贅沢品になったんですかね」
そう苦笑いを浮かべたのは、路線バスの運転士として働く佐々木誠さん(仮名・47歳)です。運転歴は20年以上。コロナ禍も含め、シフトの穴を埋めながら何とかやりくりしてきたといいます。
「月給は手取りで22〜23万円くらい。年収ベースで400万円ちょっと。昔は“公務員的な安定職”って言われていたんですが、今は全然そんなイメージじゃないです」
給与明細を見せてもらうと、基本給は20万円台前半。残業手当や深夜手当が上乗せされてようやく400万円台後半になるという構造で、残業が減ると即座に収入に響くそうです。
勤務は早朝5時台の始発便から深夜の最終まで、交代制で週5日ほど。ときには13時間以上の拘束が続くこともあります。
「休憩が細切れで、まとまって寝るのが難しい日もあります。夜勤明け、ふらっと入ったコンビニで“1,000円以上使えない”って、体よりも財布が先に悲鳴を上げていますよ」
家計の見直しも進め、最近では格安スマホや自炊中心の生活に切り替えたといいます。しかし、それでも物価の上昇には追いつかない感覚があるとのこと。
「たまごも200円超えることがあるし、肉は100g単位で手が出ない日も。ボーナスも毎回“寸志”ですから、将来を考える余裕なんてないです」
政府は物価高に対する対応策として、住民税非課税世帯への給付金やガソリン補助の延長などを実施してきました。しかし、佐々木さんのように「税金は払っているが恩恵は受けづらい」層にとって、支援が届いていない実感も強いようです。
「非課税でもないし、子育て世代でもない。でも、月々のローンや生活費はギリギリ。社会の“谷間”にいる感覚です」
