夢の独立、仕事に邁進するも…完全に無視をしていた「大切なこと」
32歳の佐藤修也さん(仮名)は、10年弱勤めた会社を辞め、フリーのWebデザイナーとして独立しました。デザインは好きだけど、会社という堅苦しい組織ではどうしても息が詰まってしまう。そんな佐藤さんにとって、独立は長年の夢でした。
佐藤さんのデザインセンスを知る会社員時代のクライアントからは、「独立をしたら仕事を依頼しますね!」と嬉しい言葉ももらいましたが、仕事が安定するまでは気が抜けません。当面の目標は、会社員時代の年収700万円を超えることです。
そんな佐藤さん、クリエイティブには自信がある一方で、事務作業やお金の管理はてんで苦手。「独立したら、自分でやるしかない」そう分かってはいましたが、必要に迫られるまでいったん置いておこう……そんなタイプでした。
独立後は小さな案件も引き受け、寝る間も惜しんで制作に没頭します。経費の管理も後回しになりがちで、売り上げが出ても何にどれだけ使ったかの記録は曖昧。とはいえ経済的には結婚して間もない共働きの妻の収入もあり、すぐに困ることもありません。
「まずは仕事に全集中するときだと……正直、それを言い訳にしてました。でも、まさかあんな怖い書類が届くとは思いませんでした」
