「なんとかなる」と思っていたが…75歳まで働くという現実
共働きだからなんとかなるだろうと考えていた直樹さんですが、息子に苦労をさせているという後ろめたさや今後の不安などについて夫婦で話し合い、ファイナンシャルプランナーに相談しました。
そして、今後夫婦が年金だけで暮らす日までにいくら貯蓄額が必要なのかを試算し、約1,500万円を目標に、直樹さんのアルバイト収入や香織さんの給与収入でお金を貯めていくことにしました。合わせて香織さんの退職金の一部で残りの住宅ローン(約800万円)を完済することも決めたといいます。
ただし、貯金を始めるのは大成くんが卒業してから。もちろん働けるうちは夫婦ともにアルバイトを続けることも決めており、純粋に年金だけで暮らすのは、少なくとも10年後と考えています。
「75歳まで働かないといけないなんてね。それまで健康でいれたらいいのですが……。結婚してから無駄遣いはしていませんでしたが、『何とかなる』と安易に考えていた。でも、実際には教育費と老後が重なり、不安が絶えません。息子のことを考えて、もっと慎重にお金を使って、計画的に貯めておけば。後悔しています」
晩婚・晩産は「現役時代が残り少ない」というリスク
このように40代を過ぎてから結婚そして出産となると、子どもが大学進学にかかる時期と自分が定年退職する時期が重なってしまいます。また、これからは子どもが少なく、逆に高齢者が増える時代になるため、直樹さん夫婦が負担する医療費が上がる可能性も否定できません。実際に物価は年々上昇し、直樹さんたちの生活を脅かしています。
こうした問題に対応するためには、結婚と同時にライフプランを考え、それに合わせた資産形成が必要不可欠です。目標をしっかりと決め、定期的に家計を見直すなど工夫を行いましょう。特に子どもが産まれた時点で今後教育費用が必要になると分かるはずです。
いつ、どのくらいの費用が必要になるのかを把握し、逆算しながら資産を作っていくことで、子どもに負担をかけることなく、また自身の老後資金も余裕を持って貯められるでしょう。
晩婚・晩産は「現役時代が残り少ない」ということを常に意識し、行動することが大切です。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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