今週の注目点=高市新総裁、「シャットダウン」などは株価にどう影響するか?
円安続くか変わるか、株価動向にも注目
米ドル/円は、先週は下落に転じたものの、それでも146円半ばまでの下落にとどまりました。それは、これまで見てきたことからすると日米などの株安が広がるところとならなかったことが大きかったのではないでしょうか。
米ドル/円は、先々週の「上放れ」がいわゆる「ダマシ」に終わり、元の146円半ば~148円半ば中心のレンジ相場内に戻っただけにとどまりました。ではこの小動きはまだ続くのか、それとも新たな方向性が出るならそれは円高か、それとも円安か。それはこれまで見てきたことからすると株価の動向が鍵になるのではないでしょうか。
4日の自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に決まりましたが、これが株高の流れにどのように影響するのか。また米国では「シャットダウン」などの影響が株高の流れに変化を生じさせるかといったことが重要になるのではないでしょうか。
「株高=円安」にはおのずと限界!?=今週の米ドル/円は147~150円で予想
9月下旬に、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、「株価はかなり割高になっている」と、FRB議長としては異例の株価への言及がありました。実際に、NYダウに対するナスダック総合指数の割高は、2000年ITバブルのピーク以上に拡大しています(図表6参照)。これはAIブームなどの「行き過ぎ」を懸念させるものではないでしょうか。そういった「行き過ぎ」の反動で株高が変化するかを引き続き注目したいと思います。
積極財政派とされる高市氏の自民党新総裁就任、これを受けて株高が進むとの見方があります。ただ財源が曖昧なままでの積極財政が株高要因なのか懐疑的な見方もあります。以上を踏まえると、高市新総裁誕生を受けた「株高=円安」トライがどこまで続くかは微妙ではないでしょうか。
高市新総裁誕生を受けた「株高=円安」にはおのずと限界があり、その反動リスクを警戒するといった意味で、今週の米ドル/円は、米ドル高・円安トライの限界を想定しながら、147~150円で予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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