世帯年収3,000万円以上で「金融資産1億円以上」が半数超え
「博報堂富裕層マーケティングラボ(HAML)」は、2025年3月に全国の高所得世帯を対象とした「新富裕層調査2025」を実施した。2025年3月14日~25日の間に20~69歳の男女計3,512名を対象(世帯年収1,500万円以上:2,009サンプル、世帯年収3,000万円以上:609サンプル、世帯年収5,000万円以上:209サンプル)に調査したもの。
2024年に公開された「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」の発展版で、今回は特に世帯年収3,000万円以上の対象者を拡充。世帯年収1,500万円以上の所得富裕層(インカムリッチ)と、金融資産1億円以上の資産富裕層(ウェルスリッチ)の境界に着目した分析が行われた。
調査結果では、世帯年収3,000万円以上を境に金融資産1億円以上の富裕層世帯が半数を超え、年収5,000万円以上では金融資産5億円以上の「超富裕層」が5割以上を占めることが明らかになった。
<金融資産1億円以上>
世帯年収1,500万円以上:20.9%
世帯年収3,000万円以上:51.6%
世帯年収5,000万円以上:68.6%
<金融資産5億円以上>
世帯年収1,500万円以上:4.5%
世帯年収3,000万円以上:27.5%
世帯年収5,000万円以上:50.7%
職業構成では「会社経営者・役員」の比率がおよそ2割を占め、自己成長志向や社会的地位志向も高まる傾向が見られた。
投資対象の拡大と高リスク・現物資産への関心
年収3,000万円以上の世帯では、株式やNISAに加え、アクティブファンドやREIT、暗号資産、さらに金や時計・宝飾、アートなどの保有率が高いことが分かった。年収5,000万円以上になると、さらに高リスク資産や現物資産への投資が顕著になる。
<世帯年収3,000万円以上の投資信託保有率>
アクティブファンド:20.9%
REIT:20.7%
暗号資産:21.8%
<世帯年収5,000万円以上のオルタナティブ資産保有率>
FX:28.2%
社債:22.9%
先物・オプション:16.0%
プライベートエクイティ:15.4%
時計・宝飾等:23.5%
金:21.0%
アート:16.8%
タイムパフォーマンス・ウェルビーイング志向の上昇
インカムリッチ層の特徴として、タイムパフォーマンス重視や健康・ウェルビーイングへの関心は、年収が上がるほど強まる傾向が見られた。一方、家事・育児の分担志向は低くなり、外部サービスの利用意欲が高まる傾向が確認された。
<タイムパフォーマンス重視>
年収1,500万円以上:50.9%
年収3,000万円以上:57.6%
年収5,000万円以上:61.3%
<健康・ウェルビーイングへの支出>
年収1,500万円以上:61.1%
年収3,000万円以上:66.3%
年収5,000万円以上:69.9%
<家事・育児の外注サービス利用意向>
年収1,500万円以上:35.7%
年収3,000万円以上:47.6%
年収5,000万円以上:51.8%
教育・文化・ストーリー消費志向の高まり
世帯年収3,000万円以上では、子育てや教育への意識が強まり、海外留学志向も高まる。また、文化・芸術に触れて教養やセンスを磨く「アート・カルチャー志向」や、商品背景のストーリーを重視する消費傾向も顕著になる。
<文化・芸術に触れる意識>
年収1,500万円以上:48.2%
年収3,000万円以上:62.6%
年収5,000万円以上:67.0%
博報堂富裕層マーケティングラボは「世帯年収3,000万円は、所得富裕層(インカムリッチ)と資産富裕層(ウェルスリッチ)の両面を備える“超インカムリッチ”の分岐点であることが見えてきた。世帯年収5,000万円を超えると、金融資産5億円以上の“超富裕層”が半数に達する。こうした経済的余力は、家事や育児の外部化、教育環境への投資に向かう一方で、文化や芸術に触れて感性や教養を磨く消費にも広がっている」と分析している。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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