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「お得だから!」お店や集まる場所も指定してくる友人
中村有紗さん(仮名・40歳)は、東京都内で小学5年生の息子と夫と3人で暮らしています。共働きで忙しい日々を送っていますが、最近、学生時代の友人Sとの付き合い方で悩むようになりました。
もともと繊細な性格で、人付き合いも得意ではない有紗さん。そんな有紗さんにとって、ママ友でも仕事の同僚でもない友人Sは、素の自分を出せる貴重な友人の一人でした。Sはメーカー勤務で年収は約600万円、有紗さんも同程度の年収で、どちらも生活に困るほどではありません。しかし、Sが最近「ポイ活」に熱中し、ランチやお出かけの場所までポイント還元で選ぶようになったのです。
「Sは生活に困っているわけではないみたいです。お給料もそこそこもらっているみたいだし、ただポイ活にハマっているだけなんだと思います」と有紗さん。
有紗さんは、美味しいものを食べることが大好きです。普段、忙しい日々を送っているからこそ、休みの日の外食はストレス解消にもなっていました。しかし、Sと食事に行くと、「あそこのレストランだとポイントがつくから」と、いつも指定されるようになりました。最近では、「今はあの区で食事すると10%オフになるから!」と区まで指定されることもあります。
先日は、Sから集まる場所として練馬区を指定されました。東京の西側に住む有紗さんの家からは近いのですが、千葉県の本八幡に住むSからすると時間と交通費もそこそこかかります。
私は家が近いからありがたいけど、あなたは交通費を考えたらそんなに得でもないのでは? 東京を横断してまでやること?」と思いましたが、「2人で約6,000円の食事だったから、600円のお得になったね!」と、嬉しそうな友人を前にして、有紗さんは何も言えませんでした。それでも、友人とは3カ月に1回ほどのペースで会っていました。
お金の価値観の違いにモヤモヤ
それだけなら良かったのですが、次第に友人とのお金の価値観の違いにモヤっとするようになってきました。有紗さんは独身時代から、会食や旅行にお金を惜しまないタイプです。しかし、Sは食事や旅行にはあまり興味がないようでした。そのため、たまに有紗さんが選んだレストランの料理に対しても感想がなく、ただ食事を口に運ぶだけの様子に見えることもありました。
「せっかく今日は子どもと一緒ではないのだから、オシャレなレストランにも行きたいけれど、ポイントもつかないし、Sは嫌がるだろうな」と思うと、次第に有紗さんは、友人のポイ活や好みに合わせてチェーン店を選ぶようになりました。
そして、会うたびに「これを買うならこのサイトで買ってこのカードで払うとお得だよ!」と有紗さんにポイ活やお金のアドバイスをしてくるSに、有紗さんは感謝しつつも、自分のお金の使い方や行動がいちいちチェックされているような気がして、安心して自分の話をすることも難しくなってきたのです。
