残された“夢の行き先”をどうするか
智恵子さんは、「夢がかなわなかったとは思っていない」と話します。
「節約は大変だったけれど、目標があったからこそ楽しく暮らせた30年でした。世界一周じゃなくても、夫婦で温泉に行ったり、近場をのんびり旅したりできれば、それでいいかなって」
現在は、国内の温泉旅行や日帰りバスツアーに加え、移動や日程の負担が少ない範囲での海外旅行も選択肢に入れながら、無理のない範囲で“自分たちらしい旅”を楽しんでいるそうです。
老後の楽しみを「先送りしすぎること」にはリスクがあります。貯蓄や年金が十分にあっても、健康や意欲が衰えれば、かつての夢は「過去のもの」になってしまうのです。
貯蓄を重ねるだけでなく、具体的な実行時期や方法をあらかじめ計画し、段階的に実行していくこともまた重要です。
