また来たか…。年金月21万円・貯蓄1,300万円で慎ましく暮らす71歳主婦「ばぁば、遊びに来たよ！」孫の来訪を喜べないワケ

年金月21万円、慎ましく暮らす71歳女性の「孫との距離感」

岡田和子さん（仮名・71歳）は、同い年の夫・義一さんとの二人暮らし。ひとり息子（38歳）は都内で妻と子ども2人と暮らしています。

夫婦の年金は合計で月21万円、貯蓄は約1,300万円。すぐに生活に困ることはありませんが、長い老後を考えると十分な余裕はなく、だからこそ贅沢はせず慎ましい日々を送っています。

そんな和子さんが最近抱えている悩みは、「周囲が求める理想のおばあちゃんにはなれない」ということです。

かつて自分の子どもを育てていた頃は、子育てに夢中になり楽しさも大変さも感じていました。一方、小学校4年生と2年生の孫は確かに可愛いものの、熱中するほどではありません。「孫は私の子どもじゃない」と心のどこかで線を引いている自分を自覚しています。

月に1回、息子夫婦が孫を連れて訪れると笑顔で迎えますが、内心は「また来たのね」と気が重くなります。孫の遊びの見守りや食事の世話――。自宅にいても体力を消耗し、気疲れします。

また、経済的な負担も大きいと感じます。誕生日やクリスマスのプレゼント、外食費、交通費。積もれば老後資金の切り崩しにつながります。将来の医療費や介護費を考えると、孫にお金をかける余裕はありません。

夫は「できる範囲でやってあげればいい」と言いますが、家計の管理は和子さんに任せっきり。何も考えていないのだと和子さんは溜息をつきます。

「正直、孫のためにお金を使うより、自分たち夫婦の生活に使いたい。でも息子一家が来ればこちらが払うのが当たり前になってしまう。この先、家や進学の援助もしなければならないと考えると気が重いんです」