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LINE一通で、親子関係は崩壊
「もう支援はできません。ローンの支払いはやめます」
そうLINEを送ると、いつもはレスの遅い正男さんから、間髪入れずに電話がかかってきました。父親は、開口一番「親を見捨てるなんて、恩を仇で返す気か!」と罵声を浴びせます。
「お前を育てるのにどれだけ金がかかったと思ってるんだ」「親の面倒をみるのは子どもの義務だろうが」「こっちの生活をどうしろっていうんだ」受話器の向こうから聞こえてくるのは、雅志さんの決断を責めるばかりの、一方的な文句の数々。
長年の不満が限界に達した雅志さんは、途中からなにも返さず、一方的に電話を切りました。そして、スマートフォンの画面を開き、ただ一言、「絶縁します」とだけLINEで送ったのです。
その後、正男さんはLINEを何通も送りましたが、「既読」の文字が付くことはありませんでした。
息子からの突然の支援打ち切りと絶縁宣言。結果、田島さん夫婦は自宅を処分し、市営住宅へ移り住むことになったのです。
老後の生活設計は子供をアテにしない
今回の田島家の問題は、親が子に頼りすぎてしまった点にあります。特に、子どもがまだ将来のライフプランを考える余裕のない若いうちに、住宅ローンの連帯債務者にしてしまうことは避けるべきでした。
連帯債務者になれば、本人は住んでいなくても返済義務を負い、それが後に自身のローン審査に大きく影響することになります。連帯債務を外すには、親本人の所得でローンの審査を受けなければならず、すでにリタイアし年金収入のみの場合、単独では審査に通らないことがほとんどでしょう。本来であれば、田島夫妻は老後の収入を見積もり、その範囲で返済できる物件を購入すべきだったのです。
また、生活が厳しくなった際には、節約や家計の見直しなど、自助努力も必要です。生活水準を上げたいのなら、無理のない程度に働いて収入を得ることも一つの選択肢になり得ます。
自らの老後資金は自らで確保すべきという点は当然として、生活資金だけでなく介護資金も視野に入れておきましょう。親として子に経済的・精神的な負担をかけたいと思う人は多くないと思いますが、住宅ローンの連帯債務を負っていなかったとしても、問題が発生することはあります。先のことを見据えて準備しておかなければ、結果として子に負担をかけてしまうのです。
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