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「家賃が10万円→3万5千円。まずは“お金の心配”が減った」
高木遥さん(仮名・43歳)は、3年前、都内の賃貸マンションを引き払い、中部地方の小都市に中古住宅を購入して移住しました。
「東京の1LDKで10万円払っていた家賃が、今は月3万5千円の住宅ローン返済。広さは2倍以上、駅から徒歩10分。まず、それだけで気持ちが楽になりました」
遥さんの年収は約450万円。都内で派遣社員として働いていましたが、コロナ禍で契約が打ち切られたことをきっかけに、フルリモートで働ける中小IT企業に転職。どこに住んでもいい状況になったことで、地方移住を本格的に考え始めたといいます。
地方での暮らしは、当然ながら不便な面もあります。
「24時間営業のスーパーはないし、バスは1時間に1本。美容院や服屋も限られています。『欲しいものがすぐ手に入る』環境ではなくなりましたね」
とはいえ、それが逆に「無駄な出費が減った」「人付き合いに振り回されなくなった」など、精神的な余白につながっている面もあると遥さんは話します。
「東京にいた頃は、いつも“誰かと比べていた”ように思います。結婚、キャリア、見た目…。地方に来てからは、誰かに見られることよりも、自分が心地いいと思える生活を大切にできるようになった気がします」
一方で、孤独の深まりは、都内にいたとき以上に感じるようになったとも。
「帰り道、ふと空を見上げたとき、『私、今どこで何しているんだろう?』と思うことがあります。都会では感じなかった“間”があるんです」
地元の人との関係は良好で、野菜のおすそ分けや、町内の清掃活動に参加することもあるそうですが、“友達”と呼べるような存在はまだできていないとのこと。
「お金の不安が減ったぶん、別の寂しさが見えてきたのかもしれません。でも、これは“後悔”とは違います。たぶん、どこに住んでいても、何かしらの“迷い”はあると思うから」
