年収450万円「この先どうなるかと思うと、胃が痛くなる」
東京都内に暮らす会社員・見沢俊哉さん(仮名・44歳)は、妻と中高生の子ども2人を抱える4人家族。現在の年収は約450万円、手取りは月28万円ほどです。実家の近くにあった中古の一軒家を30歳で購入し、3,500万円・35年ローンを組みました。
「今で14年目ですが、まだ返済は半分にも達していません。月10万円の支払いが重く感じられる日もあります。覚悟を持って買ったつもりでしたが、先が見えない長さに、正直、気が滅入ります」
購入当時は2人目の子ができたタイミングで、「家を買って一人前」という気持ちにも後押しされたといいます。
「今思えば、勢いだけでしたね。結婚や住宅購入って、ある程度“ノリ”がないと進められない。でも、その代償が今きている気がします」
一番の誤算は、子どもの教育費でした。
「『公立に通わせれば何とかなる』と楽観していました。でも、実際には高校・中学ともに塾代がすごくかかる。2人合わせて月15万円。親からの援助がなければ、とっくに破綻しています」
実家からは月5万円の仕送りを受けており、それを塾代の一部に充てていますが、それでも足りません。
「妻はパートで月6〜7万円ほど稼いでくれていますが、扶養内ギリギリです。僕の小遣いはゼロ。食費は6万円に抑えていますが、それでも生活は綱渡り。親の援助がなかったら……正直、もう回っていないと思います」
年収450万円と聞くと、中央値から見て特別に低いわけではありません。にもかかわらず、生活は極めて不安定です。
「老後の不安? そんな余裕はないですよ。むしろ“今この生活がもう限界”です。住宅ローンはあと21年残っていて、子どもが大学を出るまであと10年。その間に親の介護が重なったら、とても耐えきれません」
親の年金や貯金の詳細は聞いておらず、介護費をどれくらい負担することになるのか、想像もつかないといいます。
「今は親に援助してもらっている立場だから強くは言えませんけど、いずれはこちらが支える番になるでしょう。でも、家計はもう限界ギリギリです」
