「あのSpaceXに投資できるチャンスがあるなら協力したのに」
この日以来、友人や金融業界の仲間、知己の投資家などと食事をする機会があると、私は決まってこの話をした。もちろん、本気で悔しさを共有したかったわけではない。話のネタくらいのつもりだった。
ところが話を聞いた人たちは全員が全員、「自分も投資したかった」「言ってくれれば資金集めに協力したのに」と口をそろえるのだ。さすがに2億~3億円ぐらいすぐに出した、という人はいなかったが、1000万円ぐらいならすぐに用意したよ、という人なら何人もいた。
そもそも、SpaceXのような時価評価額が兆単位に達するユニコーン企業には、投資を希望する機関投資家やベンチャーキャピタルが山ほどいる。たかだか数千万円規模の個人株主をわざわざ募って管理するメリットはほとんどない。これがもう少し規模の小さいユニコーンであっても同様で、個人が欲しがるほど魅力的な企業であれば資金調達は十分間に合っており、投資のチャンスはまず訪れない。
それでもなお、SpaceXに投資したいと考える人は、海を越えた日本にもいたのである。私はSpaceXに投資できたかもしれないチャンスを棒に振ってしまったことを、改めて残念に思った。
そして、同社に投資したがっているのは自分だけではなかったことを知り、これを残念というだけで終わらせてはいけないような、ざわざわした感じを覚えるようになった。
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